オーストラリアの絶壁の秘境島
今回はオーストラリアの秘境で絶海の孤島であるロードハウ諸島。18世紀に発見されるまで誰も住んでいなかった島である。
一番のメインの島であるロードハウ島は絶壁に囲まれた奇岩の島である。黒い崖は溶岩で出来ている。島は大昔の火山の噴火で誕生したのだという。大きな火山が浸食の結果、現在の景観となったという。
この諸島の象徴的な島が無人島のボールズピラミッド。発見者の名をとって命名されたという。海の中にそそり立つ高さ562メートルのピラミッドの岩山である。山肌は固い岩脈で覆われている。700万年前に出来た火山島が浸食された時に、固くて丈夫な部分だけが残って、今日のロードハウ島とボールズピラミッドが生成したのだという。
固有種の多い豊かな生態系
周辺の海は海中にまで絶壁が続いている。絶壁に当たって栄養豊富な水が湧き上がっているので豊かな生態系が存在しているという。中にはもっと深海にいる魚が海面近くまで浮上してきている。また南極に一番近い珊瑚礁があるのもこの島だという。ここには多くの固有種が存在する。またこの島のところで暖流と寒流が衝突するので、もっと寒いところで育つ魚が珊瑚の海で棲息していたりする。
さらに陸にも奇妙な世界は見られる。鬱蒼とした森の中にある奇妙な木はイチジクの仲間。空気中の水分を吸収するために枝から根がぶら下がっている。そうして地面につくと根は太く育つのだという。
島の最高峰のガウア山は垂直な崖の上に平らな森が存在する。ここは雲が生まれるので雲に覆われていることが多く、雲霧林が茂っている。ここにしか生えないヤシなどの固有種が生えている。島の植物の内86%が固有種だという。またロードハウクイナという飛べない固有種の絶滅危惧種が棲息する。島中に棲息していたこの鳥が絶滅の危機に直面したのは人間のせいだという。彼らが持ち込んだ豚が卵を食べてしまい、豚が登れない絶壁の上だけに生き残ったのだという。今は豚が駆除されたことで20羽ぐらいまで減少していたのが600羽まで増加して島中で見られるようになったという。
忙しい方のための今回の要点
・オーストラリアの絶壁の島ロードハウ諸島は、火山島が浸食されて残った島である。
・その海中には豊かな生態系が存在する。また寒流と暖流が衝突する地域なので、様々な種が棲息し、この島の固有種も多い。また一番南極に近い珊瑚礁でもある。
・ロードハウ島の絶壁の上の平らな山上には雲霧林が茂っている。この島の植物の86%が固有種であると言う。またこの森には絶滅危惧種であるロードハウクイナが棲息していた。
・人間が持ち込んだ豚のに卵を食べられて絶滅寸前となっていたロードハウクイナであるが、豚が駆除されたことで、一時の20羽程度から600羽程度まで数が回復した。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・なんかとんでもない島ですね。今は無人島でないということは住んでいる人がいると言うことになりますが、何をして暮らしているのかが気になるところです。普通に考えると漁業かな。どう考えても農業を出来る土地はなさそうだし。
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