教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

5/9 サイエンスZERO「恐竜化石がザックザク! よみがえる "白亜紀ニッポン"」

白亜紀後期の化石の大量発見

 恐竜などが闊歩していた白亜紀。現在より1億4500年前から6600万年前が白亜紀だが、その中で9000万年前の白亜紀後期に注目。現在岩手県の久慈でこの白亜紀の生物の化石がザクザクと見つかっていて注目されているのだという。

 久慈にある玉川層という地層は、地殻変動を受けていない9000万年前の地層が現れているのだという。地殻変動を受けていないので、地層がガチガチでなくて脆い(手で崩せるぐらい)ので細かい骨まで発掘が出来るという。

 ここの地層は一部は一般に開放されており、高校生がティラノサウルス類の前歯を見つけて話題となったという。この歯は中国で見つかったティラノサウルス類と類似性があり、久慈のティラノサウルスは体長3メートルぐらいの羽毛恐竜と考えられるという。その歯には肉食恐竜に特有のセレーションと呼ばれるギザギザがなく、食性が違っていた可能性があるという。

 

琥珀から分かった当時の環境

 またこの地層からは琥珀が多く産出する特徴があるという。樹脂が化石化したものが琥珀だが、通常は地殻変動などで消失しやすいのだが、玉川層は地殻変動を受けていないので多くの琥珀が残存しているのだという。これらの琥珀の中には当時の植物や昆虫などがタイムカプセルのように封印されており、当時の環境を知ることが出来るという。琥珀の中から樹上で棲息するフタマタゴケの仲間が見つかったことから、白亜紀のこの辺りは森林だったことが覗えるという。

 さらに花粉を調査したところ、80種以上の花粉が見つかったという。それらの植物から久慈はマングローブのような淡水と海水が混ざり合ったような環境であったと考えられるという。マングローブは生態系が豊かなことが特徴である。当時の久慈はアマゾンのような環境だったと推測されるという。

 また琥珀からトガマムシが見つかっており、捕食性のトガマムシが存在したことは、餌となる小さな昆虫が多数いたことも分かるという。またワニの化石や亀の甲羅なども見つかっているという。久慈ではアドクス・コハクという新種が見つかっており、これは他の地域のアドクスよりも大きく、食べ物となる植物が豊富であることを物語っている。

 なお番組では最後に当時の環境を古代生物の復元画家である小田隆氏に絵に描いてもらうとうことを行っているが、これがまさに図鑑そのものの「流石」という躍動感のある絵画が出来上がっている。


 以上、白亜紀の日本について。恐竜化石と言えば福井がすぐにイメージされますが、岩手にもそんな場所があったとは知らなかった。その内に久慈に恐竜博物館が出来るだろうか。あそこ辺りって、観光資源が未だに「あまちゃん」しかないところなので、何か売りが欲しいだろうし。

 

忙しい方のための今回の要点

・久慈の玉川層は9000万年前の白亜紀後期の化石が大量に発掘されることで注目されている。
・ここの地層の特徴は地殻変動の影響を受けていないので地層が脆くて掘りやすく、小さな骨でも発掘できること。一部地域は一般開放されており、高校生がティラノサウルス類の前歯を見つける発見もあった。
・また地殻変動を経験していないので琥珀が消滅せずに多数残っており、そこに閉じ込められた生物や花粉などから、この地が温暖な森林地帯で、汽水域のマングローブ系になっていたことが分かったという。
・そのために非常に豊かな生態系を持っていたことが分かっている。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・まあ福井の恐竜類に比べるとマニアックで地味というのは否定できませんが、学術的には非常に重要性の高いものでしょう。

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