聖地日光と東照宮
今回は日光。日光の四季を追うという内容で、正直なところテキストでは一番どうしようもない内容である(笑)。
日光の中禅寺湖は2万年前の噴火で溶岩が川をせき止めて出来た湖である。日光の父なる山・男体山は高さ2486メートル。そして中禅寺湖の標高が1300メートルで天空の湖でもある。ここから華厳滝が流れ出している落差は93メートルもある。ここを流れ落ちた水は大谷川に流れ込む。10キロ下流に世界遺産の神橋があり、ここから東照宮である。
男体山の奥の女峰山があるが、ここから流れ出た稲荷川が大谷川と合流するが、その地点に立っているのが東照宮で、二つの山のパワーが集まるとされている。東照宮には徳川家康が祀られており、その手前にあるのが絢爛豪華な陽明門である。白色が効果的に使われているが、これは家康を神格化するための色だという。
東照宮の最も大切な場所はその奥にある家康の墓所である。ここは東照宮の絶対的な聖域で、かつては将軍しか入れなかったという。
日光の四季
秋の中禅寺湖で目立つのは八丁出島と呼ばれる岬。ここは紅葉で鮮やかに覆われる。落差85メートルの霧降滝も紅葉と水の対比が非常に美しい。
冬になると男体山は雪化粧し、中禅寺湖は青く澄み渡る。ここから流れ出す華厳滝は滝壺に氷が。
春になると東照宮では銘木金剛桜が開花する。ヤマザクラが変異した珍しい品種なのだという。
夏は緑に覆われた男体山。ここは登山者泣かせのハードな道のりだという。ここをかつて高名な僧侶がのぼり、美しい風景に浄土にある補陀洛山(ふだらくさん)に喩えたという。これから世界遺産の二荒山(ふたら)神社が出来たという。
東照宮を今日のように豪華にしたのは三代将軍の家光である。東照宮のすぐそばに家光の眠る大猷院がある。斜面を生かして作られたこの寺院は3つの門をくぐり抜けた後に拝殿と門がある。豪華な絵画は狩野探幽により、家光がここに祀られているという。ただし家康をおもんばかって白色を使用していない。そして大猷院は家康の墓所を向いているという。家光の家康への思いが覗える。
忙しい方のための今回の要点
・日光の中禅寺湖は標高1300メートルの天空の湖。ここから落差93メートルの華厳滝が流れ出る。
・華厳滝から流れる大谷川と、女峰山から流れ出た稲荷川の合流地点に東照宮が存在する。
・東照宮は家康が祀られており、最奥部には家康の墓所が聖地として存在する。随所に使われる白色は家康が神格化されたことを示すものである。
・東照宮を今日の絢爛豪華な姿にしたのは三代将軍の家光であるが、その家光が祀られる大猷院は家康への尊敬が随所に見られる施設となっている。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・東照宮を私が訪問したのは10年以上前ですが、その後に修復を日本文化にさして詳しくない外国人の会社に政府が利権絡みで発注したせいで、修復直後から急激に劣化が始まって大変なことになっているという話を聞きました。どうも今の政権(安倍政権の頃らしいですが)はすべて利権で動くのでろくなことをしない。
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