これから気になる汗の問題についての対処法
これからの季節に気になるのは汗。汗をかくこと自体は自然で健康なことなのであるが、これのかきかたによって問題が生じることも。と言うわけでこの汗についての紹介。
本来の汗は臭わない
まず最初に汗の悩みと言えばよくあるのが臭い。これについて「汗が臭いのは悪いサインか?」という話から。専門家によるとそもそもの汗は本来無臭であるという。しかし皮膚の表面の常在菌が分解することでいわゆる臭い成分が発生する。大体これに1時間かかるので、その前に汗を拭き取るのが対策だという。ただしこの時に乾いたタオルで拭き取ると皮膚の表面が乾いて再び汗が出てくるので、濡れたタオルで皮膚表面を潤わせるのが正解とのこと。なお汗のニオイについては基本的に健康には関係ないが、中にはごく稀に病気のサインになる場合があるという。アンモニア臭がする場合は肝機能の低下のサインであるとのこと。
なお1日の発汗量は600ミリリットルぐらいとのことだが、汗をかく量に対する悩みも多いところ。では実際に汗をかく様子を確認したら、暑さを感じたらすぐに微量の汗が出てくる人と、全く出てこない人がいる。この速やかに出てくる汗というのが重要である。この発汗はすぐに乾いて体温を下げるのだが、暑さに対応した暑熱順化が出来ていないとこの発汗が上手く出来ない。この暑熱順化が出来るかどうかは日頃から汗をかいているかがポイント。これがうまく出来ない人は夏になると熱中症になりやすい。わずかに汗ばむほどの運動をするのが一番であると言う。ウォーキングなどをする時には体温が上がっている夕方が最適、さらにタンパク質をとって筋肉を増やすのが良いとのこと。
さらに緊張すると汗が止まらないという人がいるが、これは大なり小なり誰でもあるもので健康に大きな影響はないという。ただ掌蹠多汗症という日常生活に問題が発生するレベルで発汗する場合は発汗を押さえる薬を使ったり、ボトックスなどを適用する場合があると言う。
肌の洗いすぎに注意、またデトックスはインチキです
次は汗による肌荒れ。よくあせもで困ると言う人がいるが、大抵はあせもではなくて汗あれであるという。あせもは汗をかく管が途中で詰まるものだが、汗あれは汗が皮膚を刺激してかゆくなるものだとか。あせもは細かいブツブツは出るがかゆみはあまりないのに対し、汗あれはかゆみを生じることが多いとのこと。だから対策も自ずと違い、あせもは一度に大量の汗をかかないことが対策になるが、汗あれは肌のバリア機構を守ることがポイントで、大抵は洗いすぎが原因であるので石けんやボディソープの使用を週2日程度にし、柔らかめのタオルで優しく洗うようにするとのこと・・・ってやっぱり石けんやボディソープは肌を傷めているんだということが明らかなんだが、そこは流石に深入りしない。
最後は汗で毒素が出るか。これは私は専門家が言う前に「そんなもの嘘」と断言したが、専門家も同じく「考えにくい」とのこと。汗の成分はほとんどが水分で、汗に毒が出るなんてことはあり得ないということ。これは私も以前から声を大にして言っていることなんだが、未だに「デトックス」などと銘打って詐欺紛いの商売をしている輩がいるのは腹立たしい限り。
なおどうしても汗をかきたくないという時は、腋の下を親指で強く押さえることで反射によって汗をとめる方法はあるとのこと。もっとも長時間汗をとめるのは身体に負担になるので、あくまで短時間の話。
以上、汗の話。一番のポイントは「デトックスはインチキです」ということ。デトックスで身体を綺麗になどの類いを言っている場合は、その時点でその情報はすべてインチキであるという指標になりますので、そういうサイトやメーカーの言葉は一切信じないように。これについては私も20年以上前から「インチキだ」と声を大にして訴えているのだが、未だにこれを唱えている詐欺業者は多く、テレビ番組でさえ「○○でデトックス効果」なんて内容を平気で垂れ流していたりするのは大問題である。
また同様にサラッと「石けんやボディソープは肌を荒らす」ということも言ってますね。特に悪影響が著しいのは洗剤であるボディーソープと刺激の強い薬用石けんです。また今回は触れてませんが、これらよりも桁違いに肌を荒らすのが化粧品。よく化粧品で肌の手入れをしてないと肌が老化するなんて言いますが、実は逆で化粧品で肌を荒らして、それを抑えるとしてさらに化粧品を売るというのがこの世界の有名なマッチポンプです。ただし化粧品メーカーはテレビのスポンサーとして強いので、テレビでは絶対に言いませんが。ボディソープのことに触れることが出来たのも、スポンサーのKOWAが洗剤は作っていないからでしょう。
なおこれから重要なのは暑熱順化の話。最近は汗をかけなくて熱中症で倒れる事例が多いという。これから暑さが厳しくなるし、しかも現在のコロナで医療崩壊している状況では、熱中症患者に適切な対処が出来ずに死亡するという事例が急増する可能性が高いので、自衛として備えておく必要があるでしょう。なおこのコロナ禍の灼熱の東京でオリンピックをするなどと言う馬鹿げたことを未だに政府やIOCが言っておりますが、これを実行した場合、コロナだけでなく熱中症での死者が出るのはほぼ確実だと言えるでしょう。何しろ日本の蒸し暑い夏は、アフリカ人やアラブ人にさえ過酷だと言います。
忙しい方のための今回の要点
・かいたばかりの汗は基本的に無臭。それが1時間ほどで皮膚の常在菌で分解されることによって臭いが発生する。だから汗をかいた時に濡れタオルなどで拭うのがポイント。
・また体温調整のためにスムーズな発汗をするためには暑熱順化ができていることが必要。普段から汗をかくような生活をしていると対応出来る。無理のない軽く汗ばむ程度の運動が良い。
・緊張で手足に汗をかいたりするが、これは健康上の問題はない。ただし日常生活に支障が輝ぐらいのレベルなら、汗を抑える薬やボトックスなどの対応がある。
・あせもと汗あれは違う。あせもはブツブツ出来てもかゆみはあまりない。かゆみがあるのは汗あれ。あせもは一度に大量の汗をかくのを避ける。汗あれは日頃から肌のバリア機能を保つために洗いすぎないことが注意。石けんやボディソープの使用は週に2度までにとどめる。
・汗でデトックスなどと良く言われるが、汗が有害物を排出することはあり得ないので、デトックスを謳うものはインチキと判断すべき。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・今回のポイントは「デトックスはインチキだ」というのと「石けんやボディソープは肌を荒らす」ということでしょう。さすがに番組上声高には言ってませんが、医学の心得があれば常識レベルの話です。
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