教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

6/11 テレ東系 ガイアの夜明け「コロナでもこだわりを!~飲食店"次"を見据えた闘い~」

ハウスが始めたキッチンカービジネス

 コロナ禍で売り上げが激減して苦境に陥る飲食業界。その中で味にこだわりつつ、次の展開を目指して苦闘する企業が存在する。

 今まではオフィスの昼食需要がメインだったキッチンカーも、今では住宅地でのニーズを獲得しようと動いている。ハウスでは新たにキッチンカーのビジネスを手がけた。キッチンカーを貸し出すと共に、出店のためのスペースを調査したりなどを行って協力をするのだという。

 

老舗洋食店の決断

 この度、ほとんど来客がないという苦境を脱するためにキッチンカーに乗り出したのが老舗洋食店のアラスカ。高級洋食店であるが、コロナ以降の売り上げは壊滅的状況であると言う。そこでキッチンカービジネスに乗り出した。店内では2000円以上するカレーが1000円で食べられるということで消費者に話題となって人気はあるものの、やはりビジネスとしての採算性は厳しいという。さらには看板となるメニューが必要であるという。

 同店では夏に向けての看板メニューの開発に挑んだ。試作品を試した結果選択したのは同店でも人気のトルコライス。しかし店の味に遜色のないトルコライスを、いかにキッチンカーの限られた設備で短時間に再現するかが問題点。厨房では数々の試作品を作り、それを社長が試食して自ら判断する。やはり店の味にこだわりと責任のある社長からはなかなかOKが出ず、その度にシェフは厨房に戻って作り直し。結局は様々に工夫した結果、ようやく三回目の試作品でOKがでる。

 しかしそれを実際にキッチンカーで製作するとなったところで問題発生。キッチンカーでは待ち時間などを考えると1分30秒で調理する必要があると言われるが、製造過程などが複雑であることもあって、実際に測定してみると3分を大幅に超える羽目に。いかに味を落とさずに製造を簡便化するかに現場は悪戦苦闘することに。

 アラスカのキッチンカーはスーパーの店頭に目玉として出店することになった。東京では高級洋食店アラスカのネームバリューはあり、スーパーとしても客寄せを期待してのもの。さっそく客が押し寄せて様々なメニューを大量購入していく。そして問題のトルコライスも注文あり。製造工程を見直したことで1分30秒には届かないが、2分で提供出来ることが可能となっていた。

 

冷凍食品開発に乗り出したロイヤルホスト

 苦戦しているのはファミレス業界でもだった。集客が大幅に減って苦戦するロイヤルホストが力を入れたのは冷凍食品。この度新たなメニューの開発の命がシェフの西田光洋氏にに下る。彼は考えた結果、今まで冷凍食品では存在しなかったステーキで勝負を挑むことにする。

 肉を吟味して低価格で冷凍しても旨味が残ると睨んで牛ハラミを使用することにした。オニオンソースのステーキを焼き上げて試食してみると美味い。しかし問題はこれが冷凍するとどうなるかである。

 2週間後、試食品を食べてもらうテストを行うが、西田氏の冷凍ハラミステーキは肉が硬くてパサパサしているという芳しくない評価。西田氏は肉をスチームオーブンで蒸してみたり油で揚げてみたりなどの様々な挑戦。その結果、揚げることでジューシーさを保てるという結論に到達する。

 こうして冷凍ステーキの方針は定まったが、これを工場で大量生産するところでまた問題が起こる。西田氏のステーキを再現しようとすると油の温度や揚げ時間などが手探りなのである。また肉ごとに厚さが変わるとその時間も変わる。それを現場では試行錯誤で実験を繰り返し、何とか西田氏のステーキを再現出来る条件を見つけ出して販売にこぎ着ける。松下奈緒氏が試食しているが、冷凍とは思えない味とのこと。1380円で発売されることとなった。

 

 以上、各店共にテイクアウトに力を入れたりなど四苦八苦しておりますが、コロナとの闘いも政府の無策のせいで補給のない状態での長期戦となり、各地で戦線が崩壊しつつあります。資本力の強い大手はともかくとして、個人レベルの店舗の中では既に息絶えたところも少なくなく、中には限界が来て自粛要請を無視するところまで出て来ています(そもそも補償なしで自粛を求めるというのが無茶な話)。

 

忙しい方のための今回の要点

・コロナ禍の長期化でキッチンカーに勝負をかける飲食店なども増加。ハウスではキッチンカーの貸し出し及び営業支援のビジネスを開始した。
・キッチンカーに勝負を賭けたのが老舗洋食店のアラスカ。高級カレーなどが評判になったが、採算性が厳しいために看板メニューの開発に乗り出した。その結果、トルコライスを投入することに決定。キッチンカーの設備的制約などで苦戦しつつも売り出しにこぎ着けた。
・一方のファミレス業界も苦戦中。ロイヤルホストでは活路を冷凍食品に求めて新メニュー開発中。メニュー開発を命じられたシェフの西田氏はステーキを投入することにする。
・冷凍しても肉が硬くならないように揚げてみたりなど調理方法に四苦八苦、また製造ラインでもそれを再現するのに試行錯誤が続くことになったが、発売にこぎ着けている。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・コロナ禍で飲食店は大苦戦とのことですが、その一方で緩みまくっているところもありますがね。結局のところ長期戦は店の方だけでなく、客の方も疲れ切ってます。その挙げ句に感染増加必至のオリンピックを強行しようというのだから、やはりこの国の政府は国民を殺すことを使命にしているのかという思いだけが強くなる。

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