旨味を感じない人は太りやすい
今回は「味覚を鍛えることでダイエットが出来る」という話。ある論文が出たそうだが、その内容は「旨味を感じる能力が低い人は肥満になりやすい」というものであるという。これを発表した山陰労災病院の水田栄之助医師によると、味覚と生活習慣病に関係がありそうだという。
実際に旨味に対する感度が低下している人がどのくらいいるかを、番組では103人でテストを実施している。旨味を加えたコップを3つから選ぶというものだが、濃度が低下するほど難しくなる仕組み。0.03%以上の濃度が分からない人に肥満が多いと言うのである。その結果、26人が旨味感度低下という結論になったという。
旨味感度の低下がなぜ肥満に結びつくかだが、旨味を感じることによって食事の量が減るという論文が出ているという。実は旨味を感知するセンサーは胃にも存在し、それが反応することで満足して食事量が減少するのだという。水田氏の論文によると旨味感度の低下している22人を追跡調査すると、1年後その内の15人の摂取カロリーが高くなってしまったという。また旨味感度の低い人には甘いものを好む人が多かったという。
旨味感度を鍛える方法
では旨味感度を改善するにはどうすれば良いかだが、番組では先ほどの26人の内の8人に2週間に渡って、昆布茶や旨味調味料などを食事に加えて旨味を増やすという実験を行っている。実験を続ける内に味を濃く感じるようになったという人が出てきている。2週間後のテストでは6人が旨味感度がアップしたという。そして5人の人が摂取カロリーが減ってたとのこと。味を感じることによって食事の満足度が上がったのだという。普通は旨味を増強したら逆に鈍くなりそうなものだが、そうではなくて旨味を感じたことによって旨味受容体が増えたのだという。実際に舌を調べると4人が受容体の増加がみられたという。極端な偏食の人やからいものばかりが好きな人とかが危ないという。基本的には食事のバランスを整えればOKであるという。ただし実際にこれが肥満解消につながるかの研究はこれからとのこと。
旨味の持つ効果と健康の関係
さらに旨味についてはもっと他の効果がある・・・との話だが、ここでこの番組は思いっきり脱線して戦隊ものパロにまで走っている。こういう脱線は嫌いじゃないんだが、何かスベってるんだよな・・・。BGMのゴレンジャーが悲しい。
要は旨味の持つ能力とは他の味覚を強める効果だという。これが味の相乗効果というもので、これを使うことで塩分量を減らすことなどが可能となる・・・ということは随分前から言われている気がするが。ファンクショナルMRIでの測定によると旨味を加えた時には同じ塩分濃度でも脳の働きが活性化したという。
また糖尿病患者には味覚障害が多いという。その比率は60%だという。だから食べ物に旨味を加えるという対策を行ったところ、2週間で53人中8人の味覚が正常化したという。糖尿病改善にも味覚の効果があるというわけである。
以上、味覚障害が摂食障害にもつながるという話。効果があるのはグルタミン酸だというが、通常の和食にはグルタミン酸は含まれているのでバランスの良い食事がポイントとのこと。
ちなみに昔から味覚障害が生じる原因になりやすいものとして指摘されているのが、実は化学調味料である。どぎつくてわざとらしい味付けが味覚を破壊してしまうというわけ。今回の内容を見ていると「つまり何にでも味の素を振りまくれば良いじゃん」と見えてしまうが、おそらくそれだと逆効果だろう。なるべく自然な形で摂ることが重要であると思われる。
忙しい方のための今回の要点
・旨味を感じる能力が低い人ほど肥満になる可能性が高いという論文が発表された。
・胃に旨味を感じるセンサーがあることから、旨味を感じるとそれが満足につながるのだが、旨味のセンサーが鈍っていると食べ過ぎるのだという。
・旨味のセンサーが鈍っている場合、回復するには旨味を強めた食事を取ることが良いという。
・また旨味には他の味覚を強める働きがあるので、旨味を加え得ることで減塩をするということも行われている。
・糖尿病の患者には味覚異常の者が多いという報告もあり、味覚の正常化が病気の改善につながる可能性があるという。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・要するに美味しくて自然な物を適量バランスよく食べろってことに尽きるような気がしますね。化学調味料になれきったファミレス舌は危ないです。ああいうところのメニューって、どぎつすぎて食べられないぐらいの物まで有りますから。
・なんか京料理を日頃から食べていたら肥満にはならないって気がしますが、実際のところはどうなんでしょうか。
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