教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

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番組リスト

10/17 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「脳トレ」

脳機能低下を防ぐ「脳トレ」

 コロナ禍で危ない状態にあるのが脳だという。人間の脳はコミュニケーションがないと衰えるということがある。コロナ禍によるコミュニケーション不足は認知症の原因にさえなりかねないということで、今日は脳トレの話。そう言えば随分昔にこれが流行して、怪しげな脳科学者がゾロゾロ出て来たという記憶もあるのだが・・・。

 認知症といえば記憶障害が真っ先にイメージとして浮かぶが、実は注意力の減少、集中力の低下、空間認知力の低下なども起こるという。今回はこれらの脳トレを紹介するとのこと。

 

 

空間認知力を鍛える脳トレ

 まずは空間認知力だが、これが衰えると方向が分からなくなって道に迷う、段差に蹴躓く(これは足の筋力の低下もあると思うが)、駐車が上手く出来なくなるなんてことが発生するという。

 最初に登場したトレーニングは、両手を肩幅ほどに広げて、目を閉じて指先を引っ付けるというもの。繰り替えしトレーニングをするのがポイントとのこと。さらに指を3本にするなど難易度を上げる方法もあるとのこと。

 ちなみにこのような脳トレをすると頭頂部の血流が増えていることも確認されたという。ここが脳の空間認知を司る部分であるという。ここが活性化するほど効果的であるという。

 そのトレーニングだが、ある絵を回転させた時に裏からはどう見えるかを推測するというものであった。立体を頭の中で回転させるトレーニングらしい。まあこれが出来ないものは地図が読めないだろうな。

 さらに誰かにペットボトルのキャップを机の上に置いてもらって、位置を確認した後で目を閉じて、指2~3本でつまみ上げるのだとか。簡単そうに見えるが番組出演者が実験したら全滅していた。なお誰かに置いてもらうというのは、多分自分で置いたらその時の腕の伸ばし方や方向を腕が覚えてしまうので、あくまで脳だけで判断するという意味だろうと推測する。

 

 

注意力のトレーニング

 次は注意力のトレーニング。これが低下すると見落としなどが増えて、運転なんかの危険性が増すという。この脳トレをやった時には前頭葉が活性化するという。

 番組でやっていたのは、いろいろな色の様々な数字が画面に並ぶが、その中から同じ数字を選ぶというもの。

 さらに注意力には視覚だけでなく、聴覚もあるという。これが衰えると呼びかけられても気がつかないなどになる。

 ここでの脳トレはテレビの音声などを聞きながら「あ」の音が聞こえたら手を叩くというもの。話している内容を理解しながらこれをするのがさらにポイントだという(つまりはマルチタスクか)。慣れてきたら「ア行」とかに拡張するとのこと。

 

 

記憶力を鍛える「YMCAゲーム」

 最後は記憶力だが、記憶力には脳に入れる、脳に蓄える、脳から出すの3つがあるが、特に年齢で衰えるのが最後の脳から出す想起力だという。これが衰えると知っているのに出てこないという、いわゆる「だから、あれがあれだからあれして」という話になってしまう。

 で、これを鍛える脳トレが「YMCAゲーム」だという。これは最初の者がYMCAから好きな文字を選んでポーズ付きで行う、次の者はそれを真似してから、さらに好きな文字を加える。つまりは進むと共に文字が増えていく。これは記憶を司る海馬と記憶を引き出す前頭葉の連携を高めるのだとか。

 

 

 以上、脳トレについて。個人的には私は空間認知能力は悪くないと思うのだが(幼児期のブロック遊びでかなり鍛えられたと思う)、最後の想起力はもろに衰えているのを痛感している。最近は「あれ、だからあれ」という感じで知っていることが咄嗟に思い出せないことが多い。それで一番困っているのがこのような文章を書く時、こういう場面でもっとも適切な語彙に心当たりがあるにもかかわらず、それが出てこないということが非常に多くなっている。

 なお今回の脳トレ、私も実際に放送を見ながらやってみたら、「あれ?大苦戦している。ヤバい」と思うことが多かったのだが、実は録画番組を倍速再生で見ているということを忘れていた(笑)。これも脳の衰えだろうか? ちなみにこういう倍速再生が脳への刺激になるという話も聞いたことがあるし、逆に脳に疲労を蓄積させるので衰えにつながる危険があるという話も聞いたことがある。どっちが正しいんだ? まあ程度の問題だろうとは思うが。筋トレもやり過ぎると筋肉を壊すので。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・コロナによるコミュニケーションの不足で脳機能の低下が懸念される。そこで脳トレを番組では提案。
・認知症などの脳機能の低下には記憶力だけでなく、空間認知力、注意力、集中力の低下などもあるという。
・空間認知力を鍛えるには両手の指を目をつぶって近づけるというものがある。さらには立体を回転させて形を考える。この時には頭頂部が活性化する。
・注意力については画面に映った多くの数字から同じものを選ぶ視覚の注意力と言葉の中に「あ」が出てきたら手を叩くという聴覚の注意力テストを実行。
・さらに記憶力の中で衰えやすい想起力を鍛える「YMCAゲーム」なども紹介。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・脳トレについては「本当に効果があるのか」疑問を持たれているようなものもあったりしますが、実際にリハビリに使用されるものなどもあり、適切なものを実行すれば、日々ボーッとしているよりは確実に良いでしょう。しかし脳トレ以前に仕事で脳がヘトヘトになっている者の場合は過労になるのでは?

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