便秘の原因の3タイプ
新年第一回のテーマは便秘。大変な便秘が簡単に解消するというのである。
まずは便秘の原因について3分類している。1つ目は大腸通過遅延型。これは便が大腸を通過するのに時間がかかり、そのために水分が少ないカチカチの便になってしまって便秘になるというもの。これには水溶性食物繊維をとることが有効である。
2つ目は排便困難型。これは直腸まで便は来ているものの、恥骨直腸筋が直腸を締め付けるせいで排便が出来ないというもの。これの対策は前屈みの姿勢をとることで恥骨直腸筋を緩めるということになる。
そして3つ目が今回の主題なんだが、これは過敏性腸症候群。一般的に過敏性腸症候群は下痢を連想するが、実際には半分ぐらいは便秘になるのだという。またこのタイプの便秘は強い腹痛が起こりやすいというのが特徴で、救急搬送された人までいるという。
過敏性腸症候群の腸の状態と原因
この時の腸は非常に過敏な状態になっており、大腸カメラを挿入しようとしたら腸の動きを抑える薬を使用しているにもかかわらず、腸が途中で締まるような動きが発生し、カメラがスムーズに挿入することが出来ないという。過敏性腸症候群の大腸は活発に動いているのだが、それは便を送る運動にはならず、ひたすら便を押しつぶしてかき回すだけなのだという。この間に水分は奪われるが便は全く進まない。この状態で腸の運動を活発化する一般的な胃腸薬などを使用すると逆に痛みが増すことになるという。
そもそも過敏性腸症候群が起こる理由だが、それはストレスである。ストレスを感じた時に脳内ではCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)というホルモンが放出される。そのことによって自律神経を介して心拍数を上げたり、血糖値を上げたりなどストレスに対抗する活動をする。しかしこの時に腸にもそれが伝わり、腸の活動が活発化するのだという。さらにCRHは痛みを増す効果もあるので過敏性腸症候群の激痛につながるのだという。
対策編
で、患者はこの便秘の原因が分かっていないので、そのことがストレスになっているので、便秘の原因がハッキリと分かっただけで症状の好転につながるのだという。だから今回のテーマは「この番組を見ただけで便秘が解消される」ということになる。実際に医師に症状について説明されたことによって精神的なストレスが減少して、直ちに便秘が改善した例も少なくないという。そこまで行かなかったとしても、治療の効果は明らかに向上するという。というわけで気になる方は消化器内科を受診してくださいという話。
最後には今までの便秘対策法を振り返り。大腸通過遅延型には水溶性食物繊維に加えて、便のかさ増しをすると共に善玉菌の餌にもなるレジスタントスターチという特殊なデンプンをオススメ。これが多いのが小豆やナガイモということで餡子の回に登場している。さらにはご飯も大腸で水分を大量に出して便を軟らかくするからオススメとのこと。さらに便秘改善運動は肛門付近の筋肉を上手く緩める訓練と言うことで、座って前屈みになり、肛門の辺りに力を入れて5秒ほど締め、次に5秒ほどかけて緩めるということを1日に10～20セット繰り返すとのこと。
以上、便秘改善法だが、過敏性腸症候群が便秘の原因になるというのは、恥ずかしながら私も知らなかった(腸の運動が激しくなるのだから下痢だけだと思っていた)。それにしてもストレスは万病の元とも言うが、実際にどんな不調が現れるか分かったものではないようだ。まあ消化器系は特に神経の影響を受けやすいから顕著に出るんだろう。なお私は慢性的に心拍数が高め(典型的な早死にパターン)なんだが、これもストレスが原因っぽい。
とあるところから、この番組も今年の春までという話が漏れ聞こえてきたんだが、そういう話が出てから急にラッシュをかけてきたというか。番組の放送回数が増えてきているようである(笑)。何しろ昨年などは放送回数が半減していた状態だったので。恐らく仕込みかけていたネタを慌ててまとめてきてるんだろう。
ところでこの番組が終わるとして、気になるのは次の番組だ。同じテイストの番組を持ってきたらこの番組で顕著になっていたネタ切れという傾向も引き継がれてしまうし、かといって全く違ったタイプの番組を持ってきたら、今までのこのタイプの番組(それこそ遠い昔のトライ&トライの頃から続く)の視聴者層が路頭に迷うことになる。私としては明らかに健康と料理に偏っていたこの番組から切り口を変える方向で、同タイプの番組が始まることを期待したいが、正直なところ昨今のNHKの番組制作力の低下を目の当たりにしていると、あまり期待できないというのが本音。全く関係ないくだらないバラエティになるか、ガッテン大幅劣化版と言われるような内容の番組が始まるかのどちらかになる確率がかなり大きな気がする。
忙しい方のための今回の要点
・便秘の原因には、大腸の動きの低下で便が大腸を移動するのに時間のかかる大腸通過遅延型、排便の際に恥骨直腸筋が直腸を締め付けることで便が出にくい排便困難型などがあるが、激しい腹痛を伴うタイプの便秘として過敏性腸症候群が原因となっているものがある。
・過敏性腸症候群の患者の腸内では、大腸は活発に動いているが便を送り出さずにこね回すだけになってしまっているのが特徴である。
・過敏性腸症候群の原因はストレス。ストレス時に脳から分泌されるCRHというホルモンが腸を刺激して腸の動きを活発化するのが原因となっている。またCRHは痛みを強くする効果もあるので激痛につながる。
・過敏性腸症候群は便秘の原因が不明であること自体がストレスとなっている場合が多いので、医師から診断を受けて状態の説明を受けただけでストレスが軽減されて快方に向かうことが多いという。
・そのため、思い当たる方はとにかく消化器内科の受診を。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・全く人間とは繊細に出来ているものである。しかし実際に慢性のストレス状態に晒されていたらあれやこれやと不調が出るのは常。ちなみに私の場合は便秘ではなくて下痢の方に出るタイプ。
次回のガッテン
前回のガッテン
