歩行障害を改善したメトロノームの効果
今回はパーキンソン病で歩行が困難になっていた患者がメトロノームで歩くことが出来るようなったという驚きの話。
パーキンソン病を患った患者は脳の機能障害から腕が痙攣するなどの運動障害が出る。特に半数の人に出るというのが足がガクガクとすくんで前に出ないというすくみ足だという。これで日常生活に支障を来している患者も多い。
そんな患者に対してリズムを使った治療が行われているという。具体的にはメトロノームを使用してそのテンポに合わせて歩いてもらうのだという。すると今まで途中で足がすくんで動けなくなった患者が普通に歩いている。生体には心臓の鼓動や呼吸のサイクルなど様々なリズムが存在するが、パーキンソン病はリズムを保てなくなる障害が出るので、それを外から導入するのだという。このように外からのリズムに体が同調していくことを引き込みというのだという。
この引き込みは例えば拍手をしているうちに段々と回りとテンポが合ってくるなんてのもそうだという。またレストランではBGMに食べるペースが合ってくるんだという。回転を上げたいランチは早いテンポの曲、ゆっくり滞在して酒などを多く注文して欲しいディナーはゆったりした曲というようにするのだという。また会話におけるうなずきも一種のリズムであり、これがあることで会話の両者の脳波がシンクロしてくるという報告もあるらしい。
リズムの持つ「脱力」効果
さらにリズムには引き込みだけでなく別のパワーも。歯磨きが上手くない子供にメトロノームに合わせて歯磨きをさせるようにしたら綺麗に磨けている。リズムに合わせることによって歯磨きがスムーズに出来るようになるのである。いろいろな動作にはリズムがあり、番組ではこれを「達人にリズムあり」と表現している。リズムをとることでいつどんな動作をすれば良いかが分かるので、無駄な力が抜けるのだという。実際に子供で筋電計を使って筋肉の動きを調べると、リズムをとることで力が抜けているという。さらはこれを利用して走るのよりもやや早いリズムを聴かせると全員のフォームが良くなり、タイムが大幅に伸びる子供まで出たという。
このリズムは単調な繰り返し作業に適しているということで、大根おろしをメトロノームに合わせてやってみるなどを番組では実験しているが、やっぱり力が抜けるそうだ。さらに風呂掃除から筋トレまで試してみている。
以上、リズムについてだが、確かにリズムに合わせて作業をしていると思いの外はかどるということは経験したことはあるのだが、実はリズムでやれる単調作業というのもそんなに多くなかったりする。私なども単純なタイピングはリズムに合わせることが出来るが、原稿執筆のような頭で考えながら行う作業の場合はリズムは無茶苦茶であり、いきおい腕や指に余計な力が加わり、疲れる上に甚だしきは腱鞘炎を患うことさえ(私は既に両手のすべての指に腱鞘炎でステロイド注射をした経験があるし、右手首は切開手術までした)。
なおその経験から、パソコン腱鞘炎を防ぐために一番効果があるのはアームレストです。キーボードの手前にはそれようのアームレストを置きました。
さらにマウスパッドについてはアームレスト一体型のものを使用する。これで大分手の負担が軽減されました。
ちなみに番組に話を戻すと、携帯できる小型のメトロノームといえばこういうようなものでしょうか。
忙しい方のための今回の要点
・メトロノームでリズムをとることで引き込まれ効果で動作が円滑化し、パーキンソン病のすくみ足の治療に適用されたりしている。
・リズムにはさらに力を抜くという効果もあり、例えば歯磨きの動作をメトロノームのリズムに合わせることで無駄な力が抜けてうまく磨けるようになるという。
・この力を抜く効果は他にも大根おろしとか風呂掃除など単純作業に応用が可能だという。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・リズムとはまた別かもしれないが、作業なんて鼻歌が出てチョイチョイとやってるときには能率がかなり上がってるもんなんですよね。しかし私はここ数年鼻歌が出ながら絶好調で作業できるような時がないよな・・・。
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