日本を象徴する富士
2020年度最初の今回は「富士山の四季の風景」ということで、完全に環境ビデオです。フルテキストの本ブログとしては、一番「どうすれば良いねん!」という内容でありますが、一応紹介の方を。
富士山は火山だが、最後の大噴火は中腹の宝永火口からで、それ以来300年間眠り続けている。
秋には山麓の森は紅葉の赤に染まる。美しい白糸の滝(高さ20メートル)の水は崖の中間から噴き出している。火山岩に染み込んだ雪解けの水によるものである。冬になると富士は雪に覆われるが、富士に降り注ぐ雨と雪は年間24億トンと言われる。山頂にかかる笠雲は湿気を帯びた空気が山頂付近で渦巻くことで発生する。
富士に降り注いだ水は麓に湧き水として出てくる。春になると麓の忍野村の新名庄川沿いは満開の桜が咲き誇る。それの背景としての富士はまさに日本を象徴する風景である。4月富士山の真西の田貫湖で年に2回だけ見られるのが、富士の頂の真ん中から日が昇る「ダイヤモンド富士」である。
大量の水が生み出す風景
富士の雪が融け始めた頃が田植えのシーズン。夏になって岩肌がむき出しになると火山の噴出物が酸化して赤くなった山肌が浮かび上がる。静岡側にある大きな窪みが宝永火口。その最上部は標高3150メートルに及ぶ。そこには岩脈と言われる溶岩の通った跡が見られる。
山梨側の裾野には青木ヶ原樹海が広がる。平安時代の大噴火で溶岩に覆われた地に植物が根を張ったのが今の樹海である。溶岩が巨木を飲み尽くして焼けた後に残った穴が今でも胎内巡りの信仰の対象となっている。
富士五湖で一番深い本栖湖には流れ込む川は一本もない。日本有数の透明度を誇るこの湖に潜水すると湖底には巨大な穴が。ここから地下水が湧き出している。水温は11度。この水で本栖湖は出来たのである。
富士は聖なる山として信仰の対象ともなっている。山梨側の冨士浅間神社は富士からの水が溢れている。ここは登山道の起点でもある。江戸時代から富士講がさかんとなり、御師と呼ばれる人々が登山の指導などを行った。その宿坊は今でも残っている。最盛期には2万人もが富士登山に挑んだという。また三保の松原から描いた富士の絵は世界でも人気となった。
忙しい方のための今回の要点
・富士山は宝永の大噴火以来300年間活動が鎮まっている。
・富士には大量の雨や雪が降り注ぎ、それらが周辺に地下水として湧き出している。
・夏の富士は赤く見えるが、それは酸化した火山の噴出物のせいである。
・富士は昔から信仰の対象とされ、江戸時代には富士講がさかんとなり、登山の指導などをおこなう御師が多く存在し、最盛期には2万人もが富士登山したという。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・富士って3000メートル級の山が単独で存在しますから、嫌でも目立つんですよね。確かに間近で目にすると圧倒される感があるので、信仰の対象にされるのは自然なことだと思います。私も新幹線で通りかかる度に手を合わせたくなりますから(笑)。だけど新幹線からだと意外と見えないことが多いです。なお飛行機で通りかかると、ここだけが雲の上に頭を出していることも。
次回の世界遺産
前回の世界遺産