教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

4/17 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「片頭痛・ヘルニア・外傷 諦めていた病気驚きの治療法」

偏頭痛を予防する画期的方法

 治療法がないので一生付き合うしかないとされてきた病気について、最新の治療法が登場しているという。

 まずは偏頭痛だが、注射で予防する方法が開発されたという。偏頭痛は三叉神経が刺激されて分泌されたCGRPが血管などの受容体と結びつくことで、血管の拡張や炎症反応が起こるとされている。この注射はCGRPをブロックするか、CGRPの受容体をブロックするものだという。従来の脳の興奮や血管の拡張を抑える薬よりも効果が直接的なのだという。この注射は頭痛専門外来や脳神経内科で受診すると保険適用で受けられるという。今までの治療で効果がなかった人は診断を受けてみるべきだという。

 

 

椎間板ヘルニアの新治療法に外傷再生シート

 次は椎間板ヘルニア。2018年に手術なしで治療する方法が開発されたという。その治療法は酵素を椎間板に注射することでヘルニアを溶かすのだという。この治療は日帰り、もしくは1泊程度で受けられるという。しかし問題はこの治療は一生に一回しか使用できないという。それは異物としてアナフィラキシーを起こす可能性があるからだとのこと。

 なお研究中の方法として、椎間板の細胞を培養してそれを注入することで損傷した椎間板を再生するという方法が実用化されつつあるという。また椎間板には血管がないために再生が困難だったのだが、逆に血管がないことから免疫反応が起きにくいので、別のドナーから提供された椎間板の細胞を移植する方法も可能だという。これだと若いドナーの細胞を移植することでより再生が期待できるという。

 最後は外傷を再生するシート。このシートは豚の小腸の組織を使用したもので、ここには細胞を活性化する成分が含まれているので、大きな怪我でも再生が促されるという。またシートは剥がす必要がなく、組織と一体化するという。糖尿病による壊死の治療などによく利用されるという。

 

 

 またも驚きの最新治療について。いずれも私は初めて聞きました。特に椎間板ヘルニアは私も腰と首の2箇所に持っているので注目するところです。この病気のタチの悪いところは、手術でないと治せないと言いながら、手術をしても再発することが多いと言うところ。そういう意味では根本的に椎間板を再生する方法は非常に興味深い。

 また豚と人の組織は近いということは聞いていたが、まさか豚の小腸で外傷治療ができるとは。最終的には組織が融合すると言っていたが、そこで拒絶反応などは起こらないのだろうかというところが気になるのだが、そのことには一切触れていなかったと言うことはその問題はないということか。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・今までは治せないと言われていた病気に対する画期的な治療法を紹介。
・まず偏頭痛については予防する注射が登場している。これは偏頭痛の原因となるCGRP    の働きをブロックするもので、従来の薬よりもより直接的なため、これらが効かなかった患者でも効果が期待できるという。
・また椎間板ヘルニアについては、酵素を注射してはみ出した椎間板を溶かす治療法が実用化されているという。ただしこの方法はアナフィラキシーを起こす可能性があるために、一生で一回しか受けられないという。
・そこで新たな方法として、椎間板の細胞を培養してから注入し、椎間板の再生を促すという方法が実用化に向けて研究中だとか。
・さらに激しい外傷に対して、貼り付けることで再生を促すシートが登場している。このシートは豚の小腸の組織から作られており、細胞を活性化する成分が含まれている上に、組織と一体化するので剥がす必要がないという。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・まあ医学って驚くほどに進化するものですね。それでも未だに不治とされる病気も少なくないのですが。まあ今後もその技術の進展に期待しましょう。

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