教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

6/29 NHK 歴史探偵「VR探検!秀吉の大坂城」

秀吉の大坂城をVRで再現

 絢爛豪華だったという秀吉による大坂城をVRを使って復元するとしている。

 まず現在の大坂城は、後に幕府によって徹底的に埋められて再建されたものなので、秀吉の時代のものとは根本的に異なっている。そこでまずは秀吉時代の痕跡を探す必要がある。

 と言うわけでいきなり千田氏がハイテンションで登場するのだが、現在の大坂城の地下7メートルに豊臣時代の石垣が発掘されているという。その石垣は野面積みのものであり、後の石垣とはかなり異なっている。

 建物については竹生島の宝厳寺に大坂城から移築されたという建物がある。国宝となっている宝厳寺の唐門であるが、これは大坂城の極楽橋の一部を移築したものだと考えられている。この建物は朱に碧に緑に黒漆や金などかなり派手で豪華な装飾を施した建物である。

 天守については大坂城図屏風に描かれているものが往時の姿ではと考えられている。瓦などにも金を施した黄金天守であり、天皇を示す桐の門などがあしらわれている。これらの資料を基にCGで大坂城の天守を再現しているが、黒塗りに金を施したかなり派手なものである。

 

 

VR体験で千田氏大はしゃぎ・・・

 この後は千田氏がVRで復元した大坂城本丸などを見学してハイテンションではしゃぎ回るというどうでも良い展開。とりあえず情報としては、本丸入口の桜門は接近する敵に十字砲火を浴びせられるようになっていて堅固極まりないということ、さらに本丸に入ると目の前に見える壮麗な天守が圧倒するようになっていること。また本丸御殿の控えの間には虎の障壁画など秀吉の強さを誇示する仕掛けがあり、奥の秀吉との対面所は極めて豪華に作ってあるが鳥の絵など緊張をほぐす仕掛けにもなっているということなど。

 なお大坂城ではスペインの使節が献上した象を飼っていたという。ドン・ペドロと名付けられた象であったという。とにかくいろいろと度肝を抜く仕掛けを施してあったと言うことである。

 最後は真田丸をVRで紹介。大坂冬の陣での水没防御などを再現しているが、この話題自体は既出。徳川軍は洪水エリアを簀の子で渡ったそうだが、そこを抜けてもしっかりとマキビシが敷き詰めてあり、その先には深い堀、そして常に激しい銃撃にさらされるという仕掛けになっているという。また防御側の陣は二階立てになっており、しかも撃ち手は3人1組で分担していたという長篠方式。

 

 

 以上、大坂城VRに関してのことですが、この番組のためだけにあんな大規模なものを作るわけがないので、当然ながら他の流用です。実際に見た記憶のある映像も。まああれだけのものが出来たのなら、それをネタに最低でも3本は番組作るでしょう。

 で、相も変わらず佐藤二朗の無駄話で内容増量。今回もいつものように中身の非常に薄い内容でした。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・秀吉自体の大坂城をVRで再現。
・参考データとしては、発掘された秀吉時代の野面積みの石垣、及び竹生島の宝厳寺にある大坂城から移築されたと考えられている建物、さらに大坂城図屏風。
・絢爛豪華な天守及び本丸御殿を再現して、VRで千田氏がそれを体験。
・さらには真田丸も復元して、その堅固さも体験していた。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・それにしても毎度のことながら内容が薄いな。ワンフィンガーで作ったカルピスをさらに倍に薄めたぐらいの薄さだ。そこに佐藤二朗を添加するからさらに飲みにくい。

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