教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

11/13 TBS系 世界遺産「8K特別編!古都奈良~東大寺の四季」

奈良の大仏殿の四季

 今回は奈良の大仏殿の四季を8Kカメラを持ち込んで撮影したという特別編・・・とのことだが、こういう内容になってしまうとテキストオンリーのこのページとしてはどうしようもないんだよな・・・。


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 奈良の大仏が作られたのは聖武天皇の時代。当時流行した疫病の退散を願って建造された。今も毎日正午に新型コロナ収束の祈りが捧げられているという。像の高さは15メートルもある。750年に開眼された大仏は後に破損によって大部分が作り直されている。しかし台座部分の多くは創建当初のままだという。左足には金が残っており、かつては全身が金色に輝いていたことを伝える。その後、塗り直された鎌倉時代の金が今残っていると考えている研究者もいるとのこと。

 

 

時代時代の最新技術で支えられている大仏殿

 冬になると氷点下にも気温が下がり、大仏池には氷が張る。そして若草山は茶色になる毎年山焼きされるこの山は木は生えていない。この行事は厄落としを兼ねているのだという。山焼きが始まった理由は山頂の古墳にあるという。かつて幽霊が出て良くないことが起こったので年に一度供養として山を焼くようになったとか。

 春になると桜の絶景が。大仏殿の桜回廊は知る人ぞ知る風景だという。平城宮跡は発掘調査が進められて復元も行われている。ここからは多くの木簡が発見されており、東大寺を築いた集団の記録も残っている。現代の大仏殿は江戸時代に再建されたもので、この巨大な建物を支える秘密は屋根裏にあるという。三層構造になった屋根裏の最上部には1本木から作られた全長24メートルの梁が通っている。この2本の赤松の巨木は遠く九州から運ばれてきたという。2本の大きな梁で屋根の重量を支えて奥行きのある空間を確保しているのだという。しかし明治になると重みに耐えかねて軒や梁はたわんでしまったという。そこで明治の修理では鉄骨トラスが取り入れられた。当時最先端のイギリスの技術が投入されたのだという。

 夏には3年ぶりにお身拭いが復活した。大仏から魂を抜く儀式が行われると、大勢で3年分の埃を半日かけて落とす。これのための特製のゴンドラまで使用して隅々までも綺麗にされるのである。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・奈良の大仏は聖武天皇の時代に疫病退散を願って建てられた。当時は全身が金色に輝いていたという。現在の物は後に大部分を再建されたものであるが、台座部分は創建当時のままだという。
・冬には若草山は山焼きをされるが、それは山頂にある古墳の供養の意味もあるという。
・現代の大仏殿は江戸時代に再建されたもので、2本の巨木の梁で屋根の重量を支えている。しかし明治時代には重さでたわんできたので、鉄骨トラスを使用して補強をしてある。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・今回のような8Kスペシャルって映像をひたすら見せるだけで、能書きが少ないんで私のページは毎回困ります(笑)。番組見る分には綺麗なんですが。

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