教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

1/8 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「昔と今のブームに学ぶ!今年実戦して欲しい健康法」

昭和の健康常識を検証

 昭和の頃にいわれていた「風邪の時は風呂に入ってはいけない」「風邪の時は汗出して早く治す」などの対処法があったが、果たしてこれは本当に正しかったのか。またこれ以外にも様々な健康法などもあったが、これらについて見直してみるという企画。

 まず最初に登場するのは氷嚢に氷枕。これは風邪で熱が出た時の対処法だが、身体を冷ますアイテムとしては正解だという。ただ「風邪の時は汗をかいて治す」については、汗をかいてもウイルスが出るわけでもないし、脱水症状になる危険があるのでお勧めできないとのこと。熱でツラい時は体温を下げるのに腋の下や首の周囲を保冷剤で冷やすのが有効とのこと。

 なのだが、無理に汗をかくと脱水症状で危険は分かるんだが、この療法、実際に私は今でも早く熱を下げる必要がある時には十分な水を寝床に持ち込んだ上で実践している。実際にかなり汗をかいた後にグッタリはするが熱は下がる。別に汗でウイルスが排出されるわけはないのは当たり前だが、そもそもこのやり方は体温を上げてやることで免疫を活性化するのが主眼のはずなんだが。確かに脱水状態は命に関わるので医師として勧められないのは納得だが、効果なしのように言うのは早計に思う。

 なお風邪をひいたらお風呂に入ったらいけないというのも、今は風呂は関係ないというのが通説になっているという。風邪をひいたら風呂に入るなと言うのは屋外の風呂に入りに行く時代のことだとしている。むしろ身体を清潔に保つ意味はありそうである。ただ体力消耗を避けるためにぬるめの湯で手早く入るようにとのことなんだが、風邪の状態が悪い場合には風呂がぬるかったら寒気が来る場合が実体験としてあるんだが・・・。

 

 

傷の治療法にダイエットの常識

 次は傷の治療法だが、昔は亜麻仁油紙などを貼ったり赤チンを使ったりしていたが、今は傷口を乾燥させない湿潤療法の方が治りが早いというのが言われている(ガッテンがよく推していた)。

 次の登場するのはリンゴ、パイナップル、粉ミルクなどの単品ダイエット。これは完全に今時は「バカのやること」というのが常識である。今の流行はベジファーストだとのこと。また卵は1日1個までなどと言われていたが、特にコレステロールが高くない人の場合は1個にこだわる必要がないというのが今日の常識。

 学校から消えた物として座高の検査とギョウ虫検査があるという。これらは2015年以降なくなったという。座高は内臓の発育の確認としてなされていたが、意味がないと削除になったという。またギョウ虫検査も寄生虫の減少で削除された。

 最後はダイエット。いきなり登場するのはルームランナーだが、これについては今はもっと進化していてジムでベルトの上を走っている者が多い。そして昭和に流行ったのがエアロビクスだが、これについてはさらに進化して今日まで続いている。これは有酸素運動なので効果はある。最新のエクササイズとしてハンドクラップなるリズム乗せて手で足を叩くタイプのエクササイズが流行しているとか。なお番組ではこれの簡易版を実践しているのだが、私が合わせてやろうとしたらやけにハードすぎて無理だと思ったら、私は番組を倍速再生していたことを忘れていた(笑)。

 

 

 以上、昭和の健康法について。実際に昔からいろいろな健康法が登場し、中にはテレビで持て囃されたものなどもありましたが、そういう番組の中にはいい加減なものも多かったです。そういうわけで私はその時代にそれらを警告する本を出版したという過去があります(プロフィールに書いているのがそれです)。もうとっくに廃刊になっているので、世の中からは綺麗に忘れ去られていますが。

 ちなみに医療の常識なども年月と共に変化するので知識のアップデートが必要ですが、そこであまりセンセーショナルな情報に流されないことが大事です。とりあえずまず最初に除くべきは単品ダイエット。なお個人的には低糖質ダイエットにもやや疑問を持っていますが、目下のところ判断は保留です。と言うのは栄養状況の悪い昔だったら致命傷になりかねないが、栄養状況の過剰な今日だとまた話が変わるから。結局のところ、各人の体質もバラバラなので、実は万人に通じる健康法ってないのかもと思ったりも。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・昭和時代の健康常識などを現代に見直す。
・まず氷枕や氷嚢などは今でも有効だが、風邪をひいたら汗をかいて早く治すというのは、脱水状態の危険などもあり有効ではないとしている(個人的には異論あり)。
・また風邪をひいた時には風呂に入るなと言われていたが、それは今日ではあまり問題はないとのこと。
・さらに傷口は昔は乾燥させたが、今は湿潤療法の方が治りが早いとされている。
・ダイエットについても単品ダイエットは効果なし、さらに卵については特にコレステロールの高くないヒトは個数については気にする必要がない。
・ダイエット法として当時から続いているのがエアロビクスだが、これは有酸素運動で効果あり。現在は手で足を叩くハンドクラップという運動が流行とか。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・健康常識、ダイエット常識は時代でコロコロ変わるので要注意。もっともどんな時代でも不変の常識はあって、腹八分目で適度な運動をしていたら健康を保てるというのは千年以上前から変わらない真理。

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