教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

2/26 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「放っておくと激痛&大病に!身体にできる危険な石」

胃の中に出来るとんでもない石

 今回番組冒頭に登場するのは隕石とも餡おはぎとも見える飛んでも物体だが、それはなんと柿胃石と言って、柿を食べすぎた人の胃に発生した石だとか。柿の中のタンニンが胃の中の食物繊維と結びついて固まったのだという。今回はこのような身体のあちこちで意外に生成する石について紹介。中には耳の中の耳石のように有用なもの(それでも剥がれて三半規管に入り込むとめまいの原因となる)があるが、口の中ではプラークから出来た歯石が虫歯の温床となり、腎臓では激痛を引き起こす尿路結石など生成するなど危険なものも存在する。

 なお冒頭で登場した柿胃石は腹痛や吐き気などの症状を引き起こし、深刻な場合は腸閉塞を起こして手術になることもあるとか。なお治療法としてはコーラ溶解療法なるものがあるらしい。コーラの酸性度と炭酸の濃度が胃石を溶かすのに適しているのでよく使われるとか。ということは、よくコーラを飲む者は柿胃石は問題ないってことか? まあ私の場合、柿を食う機会(せいぜい年に数個)よりはコーラを飲む機会の方が明らかに多い。

 

 

膵石に胆石、それに唾石

 他にヤバい石としては膵臓に出来る膵石を紹介している。白い不規則な形の石だが、膵管に生成して管を詰まらせることで、お腹が押されたような痛みや背中に激痛が走るのだという。さらに膵液が出なくなることで消化不良による栄養不足も引き起こすという。原因は酒の飲み過ぎや高カロリーの食事で膵液が異常に分泌されることで、膵液内のタンパク質などが結晶かするのだそうな。さらに膵液の異常な分泌は慢性炎症を引き起こして、糖尿病や膵がんにつながることもあるという。

 次に登場するのは胆のうに生成する胆石。胆のうは胆汁を溜めて脂肪の分解に使用するのだが、高コレステロールの食事をしていると起こりやすい。70歳以上で15%以上が胆石持ちというでーたもあるという。自覚症状が乏しいのでサイレントストーンなどとも言われるが、ある日突然に激痛に七転八倒するということになるらしい。胆石が胆のうから移動して、出口付近を塞いでしまったりしたらこの激痛が発生するとのこと。暴飲暴食だけでなく、ダイエットで急激に体重を落とした人も起こしやすいという。食事を抜くような極端なダイエットをすると、胆汁が送り出される機会が減り、そのために胆汁が濃縮されて石が出来やすくなるのだという。ちなみに昔の私の上司がこれを発症し、仕事中に突然に青い顔をしたと思ったら、そのまま早退して病院に駆け込みました。

 3つめは唾液から生成する唾石。唾液腺の中で出来てしまう石で、唾液の流れが悪くなることで細菌や老廃物を核としてカルシウムなどがくっついて石になるのだという。1人で300個以上出来たという例もあるとか。これが唾液が出る管を詰まらせると、唾液腺の圧力が高まって耳の下や顎の下に痛みが出ることになる。唾液の分泌が悪い人がなりやすいので、顎の下をマッサージすることで予防になるという。

 

 

巨大な腎結石に、それから起こる尿路結石

 中にはサンゴ状結石と呼ばれる巨大な石があるが、これは腎臓内で生成した腎結石でそれれが腎臓の管の形になるのでサンゴのような形になるのだとか。ここまで来ると相当痛いのではと思われるのだが、腎結石は少しずつ大きくなるので痛みが出ずに気付かない場合が多いのだという。結石の原因は血液中にシュウ酸や尿酸が多くなることで、これが腎臓内で結晶化するのだという。シュウ酸はほうれん草、ブロッコリー、なすなどの苦味やえぐみのある食品に多く、尿酸はプリン体の多いレバー、いか、魚卵などに含まれるという。こういう食品を食べ過ぎると発生するという。またこれが原因で腎臓内に尿が溢れて炎症を起こす水腎症を発生する事例などもあるという。これは放置すると腎臓の機能低下を招く。治療法としてはESWL(体外衝撃波結石破砕術)があり、衝撃波を体外から当てて結石を砕くのだという。

 また尿管結石は腎結石が尿管に落ちてきて詰まったものである。なお膀胱内の場合は膀胱結石と呼ばれ、これらを総称して尿路結石と呼ぶという。これは発症が多く、男性の7人に1人、女性の15人に1人が経験すると言われている。これを発見するにはエコー検査が有効。なお尿路結石は再発率が高く、5年間で50%の人が再発すると言われている。予防には糖尿病・脂質異常症・尿酸値の異常などの生活習慣病を防ぐこととのこと。またこまめな水分摂取が有効である。

 

 

 以上、結石について。私もさすがに冒頭の柿胃石には驚いたが、それがコーラで溶けるというのにさらに驚いた。しかし胃液の酸性にビクともしない石が、コーラの酸性で溶けるってことは、あまり酸性が強くてもダメってことか。

 なお結石の経験はないのだが、今までに何度か排尿中にズキンと激しい一瞬の痛みが発生して、「ん?もしかして今、石が詰まりかけた?」と思ったことがあるのだが、これは石によるものなんだろうか? 正直なところ、今回登場した結石を起こしやすい生活習慣というのにはかなり思い当たる点があるので・・・。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・身体のあちこちに発生する結石について紹介。
・まずは柿の食べ過ぎでおこる柿胃石。胃の中で柿のタンニンが食物繊維と結びついて生成する。大きくなると吐き気や腹痛を起こし、甚だしきは腸管閉塞を引き起こすという。治療法はコーラ溶解療法といって、コーラの酸性で溶かす方法がある。
・膵臓の膵石は膵液中のタンパク質などが析出してできる石で膵管を詰まらせることで激痛を引き起こす。また膵液が出にくくなることで消化不良による栄養不足も起こす。原因は暴飲暴食。
・胆のうに発生する胆石は高コレステロールの食事が原因となる。また食事抜きなどの極端なダイエットも要注意。これが胆のうの出口で詰まると激痛を引き起こす。
・また唾液腺に出来る唾石というのがある。細菌や老廃物にカルシウムが析出することで生成する。唾液の流れが悪いと発生するので、顎のマッサージなどが有効。
・腎臓内の腎結石は徐々に大きくなるので自覚症状が発生しにくい場合が多い。シュウ酸や尿酸が増えると析出するので注意。巨大化すると尿管の形に結石が成長したサンゴ状結石という状態にまでなる。治療としては体外から衝撃波を加えて石を砕く。
・この腎臓結石が尿管や膀胱に降りてくると尿路結石となる。これは男性の7人に1人、女性の15人に1人が発症するといわれる。また再発率も高く、5年で50%の人が再発する。水分摂取が予防に有効。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・これは経験した人しか分からないそうですが、本当に七転八倒する苦しみだと言います。なるべくなら生涯経験したくないところですが、どうも老化に伴って危険が増していくようです。

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