突然死につながる心臓血管病
今回のテーマは突然死の原因となる心疾患。日本人の死因の第2位である。特に恐いのが心臓血管病。年間死者数は3万人もいるという。
心臓は1日に8000リットルもの血液を送り出している。これが停止すると即命の危険である。これが突然機能停止することになるのが心臓血管病。特に心筋梗塞は毎年3万人もの死者を出している。患者は緊急カテーテル治療などが施されることになる。経験者によると経験したことがないような痛みだったという。これは3本の冠動脈が閉塞することで心筋が酸素不足になって壊死することで起こる。血管の閉塞は動脈硬化から血栓が発生することで起こる。大抵の場合は予兆がないので危険である。1分1秒でも早く血管を広げることが命を守るために重要な措置になる。
また心筋梗塞以外の病気もある。腰をバットで殴られたような痛みで病院に運ばれたという女性の場合の病名は大動脈解離。心臓から出ている太い血管が裂けてしまう病気である。血管の内膜が裂けて中膜に血液が流れ込んでしまうのだという。これがさらに中膜に血が溜まりすぎて外膜が裂けるに至っては、体内が血の海になり突然死の可能性が高まることになる。原因は高血圧。血管の負担が増加して、ついに限界に達すると発症することになる。食生活に注意する必要がある。
再発防止のための心臓リハビリテーション
いずれも動脈硬化が背景にあり、そのリスクファクターは高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満などである。
また大動脈解離が臓器の血管に及ぶと脳梗塞、心筋梗塞、腎臓病などの内臓疾患が発生することもある。さらに心タンポナーデという解離が心臓に至ることで心膜の間に血が流れ込んで心臓が圧迫される症状が発生することがあり、これも突然死につながる。大動脈解離による突然死の90%がこれが原因だという。また心臓血管病は再発率が高いことが知られている。
再発予防の方法が心臓リハビリテーションだという。基本は筋力トレーニングだという。これを行うことで筋肉のポンプ作用で血流が良くなり、心臓の負担が減るのだという。そして最重要な筋肉がふくらはぎの筋肉であり、かかと上げなどのふくらはぎを鍛える運動を中心に行うという。さらに合わせて食事療法も重要で、塩分を減らすと共にEPAを積極的に摂取するなどが効果的であるという。なおEPAは熱に弱いのでやはり刺身が良いという。
以上、突然死につながる心臓血管病について。この辺りも年齢を重ねてくると可能性が上がってくる嫌な病気です。私なども心臓に若干の不安があり、私の最後は心筋梗塞ではないかという気が今のうちから何となくしています。高血圧はまだありませんが、他の危険因子は様々ありますので。
忙しい方のための今回の要点
・日本人の死因の第2位で、突然死の原因になるのが心臓血管病である。
・代表的なものが心筋梗塞。動脈硬化から血栓が出来て心臓の冠動脈が詰まることで、心筋細胞が酸欠で壊死することで発声する。早急に血管を拡張する救命措置が必要となる。
・他に大動脈が裂ける大動脈解離がある。これは高血圧などが原因であり、これも大出血を起こすと突然死につながる。
・さらに大動脈解離が心臓に至ることで心タンポナーデが発生すると突然死の可能性があがる。
・また心臓血管病は再発理屈が高いのが特徴、再発を防止するには筋力トレーニングで心臓の負担を減らす心臓リハビリテーション、及び食事療法が効果的。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・私なんて危険要素ありまくりですから、これで後は血圧が上がり始めたら「お前はもう死んでいる」状態です。しかし年齢のせいか、徐々に血圧上昇の傾向が出てるんですよね・・・。
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