教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

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5/31 NHK 歴史探偵「徳川四天王」

徳川四天王の活躍を紹介・・・要は大河の宣伝です

 この番組の存在目的の大きなものである「大河ドラマの宣伝」である。今回はこれから活躍が増えてくるであろう徳川四天王について。ちなみに次回はドラマに合わせて設楽が原の合戦の再放送をする模様。

 徳川四天王とは家康の家臣の中で特に働きの大きかった4人のことである。最年長の酒井忠次を始めとして、知略の将の榊原康政、戦国最強の機動武士ホンダムこと本多忠勝、最年少の井伊直政の4人である。

戦国最強・本多忠勝

ちなみにこちらが「機動武士ホンダム」

 

 

それぞれの個性を発揮して活躍

 まず酒井忠次だが設楽が原の合戦での影での活躍があるという。設楽が原の合戦では武田軍が馬防柵の後で待ち構える鉄砲隊の前に壊滅したのだが、そもそも武田軍がそこに突っ込んでこないと不発になる。そこで武田軍が前に進まざるを得ないように、酒井忠次は武田軍の背後の鳶ヶ巣山砦を落とすという作戦を実行したのだという。ここを取られると背後を押さえられた武田軍は前に進むしかなくなるという次第。ただ武田軍に気づかれてはいけないので、忠次は大きく迂回して険しい山中を抜けていく15キロの難路を夜間に踏破したのだという。これが出来たのは忠次が土地勘があったことが大きいという。また地元に案内人も手配していたらしい。そして鳶ヶ巣山砦の近くまで迫ると、夜明けと共に奇襲して砦を落とした。これが設楽が原の戦いでの織田・徳川連合軍の圧勝につながる。

 榊原康政と本多忠勝だが、2人が活躍したのは小牧・長久手の戦い。徳川軍は信長が築いた小牧山城に籠もったのだが、この城を難攻不落の要塞に短時間で改良したのが榊原康政だという。康政はとにかく土塁の高さを稼ぐことを優先して、突き固めの手間を省くなど省力化を行ったという。さらには秀吉の非を唱えるアジ文書も書いて味方の士気をあげたりなんかもしているという。

 そして家康が秀吉の別働隊を討ちに出た時、家康を狙って出撃してきた3万の秀吉軍の足止めを500の兵で行ったのが猛将・本多忠勝だという。忠勝はこの12年前の一言坂の戦いで、2万を超える武田軍を300の手勢で知略を駆使して足止めする(放火で迂回させた上で隘路に伏兵で迎え撃った)功績を上げており、その忠勝を恐れて秀吉は攻めあぐねたという。ただの猪武者ではなかったということである。

 最後の井伊直政が活躍したのはその交渉力によるという。本能寺の変の後の北条との交渉では北関東の大名との飛脚が北条の領土内を通ることを、東北の大名との連絡をとるのに必要だと説いて認めさせたという。この時の直政22才。さらには関ヶ原の合戦では豊臣恩顧の大名である黒田長政を取り込むなどの多数派工作にも貢献している。これらの活躍で家康から幕府開国の功労者と讃えられたという。

 

 

 以上、四天王の活躍を実際にゲスト2人の無駄話を聞きながら紹介したのが今回。ちなみに私は大河ドラマの方は、ショボすぎる合戦シーン(出てくる城が全部同じセットの使い回し)、ひどすぎるシナリオ(無駄な捏造が多い)、ヘボすぎるホームコメディで嫌気がさしていたところが、あまりに馬鹿らしい一向宗の描き方でついには限界が来て落ちました。とにかく終始一貫時代劇をやっていないというのが一番の印象。さすがにコスプレ学芸会ドラマはアホらしくなる。

 で、今回の内容もやはり宣伝以上でも以下でもないというところ。この番組お約束の「中身のひたすらの薄さ」がかなり際だったのが今回でもある。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・徳川四天王は家康の家臣の中で重要な働きをした酒井忠次、榊原康政、本多忠勝、井伊直政の4人を指す。
・酒井忠次は設楽が原の戦いで武田軍背後の鳶ヶ巣山砦を落として、連合軍の大勝利に貢献している。
・榊原康政は小牧・長久手の戦いにおいて小牧山城を堅固に整備して秀吉軍の攻撃を断念させている。
・戦国最強とも言われる本多忠勝は、小牧長久手の戦いで家康が秀吉の別働隊を討った時、追跡してきた秀吉の3万の軍勢を500の手勢で食い止めている。
・井伊直政はその交渉力で本能寺の変後の北条との交渉、関ヶ原合戦での多数派工作などで活躍をして、家康から幕府開国の功労者と讃えられた。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・それにしてもどうにかならんのか、この番組の大河の宣伝。ここまで必死で宣伝するところを見ると、やっぱり今回も苦戦なんだろうな。

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