教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

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7/9 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「経験者の声に耳を傾ける 危険な"夏の脳梗塞"対策」

夏に増加する脳梗塞

 これから夏になってくると増加するのが脳梗塞。脳の血管が閉塞する病気で、命を取り止めても半身不随などの後遺症が残ることが多い。そのような脳梗塞について経験者の声から、注意するポイントなどを紹介する。夏は脳梗塞が増えると言うが、平均気温が27~29℃を基準とした時、32℃以上に気温上昇すると1.66倍に増加するという。

夏は脳梗塞が増加する

 経験者によると、前日に30℃を超える中で農作業をしたところ、翌日に脳梗塞を発症したという。これは脱水症状になったことが原因だという。脱水状態になったことで血液がドロドロになっていたのだという。また夏の脳梗塞と熱中症の症状は似ているのが要注意だという。めまい、ふらつき、吐き気などの症状は両方に共通するという。ただ水を飲まそうとした時、脳梗塞があると口の片側に麻痺があってこぼれるなどの症状が出ることがある。また言葉が出ないというのも脳梗塞の症状だという。さらに視野が欠けるなどの症状が出たら直ちに救急車とのこと。また夏場のストレスも脳梗塞のリスクを高めるという。

 もう一人の経験者によると、PTAの活動などで連日忙しい生活を送っていたところ、発症したという。本人はさしてストレスだと思わずに前向きに取り組んでいたようだが、実際には心身にはストレスになっていたと言うことである。我々の身体はストレスがかかるとストレスホルモンが分泌され、血管が収縮して血圧が上昇するのでこれが脳梗塞の誘因になるという。また彼女の場合、唇の左側に違和感が出て病院を受診したのだが、違和感は数分後に消えたのだという。しかし一週間後に脳梗塞を発症して半身麻痺が出たという。このような症状は一過性脳虚血発作(TIA)といい、数分から10分程度脳梗塞と同じ症状が出る現象だという。血栓が小さかったので流れたり分解したことによって解消するのだとか。なおこの時に1日以内に治療すると、大きな脳卒中の発症を80%軽減できるという。

 

 

症状のポイント

 症状を見わけるポイントだが、FASTが上げられている。FはFace、AはArm、SはSpeach(言葉)である。まずFaceだが、顔の片側に引きつりが出たら脳梗塞。

顔面の片側麻痺は典型的症状

 Aは両手を前に上げてみて、小指側が内側に回転したり、腕が下がる場合は麻痺。

片手が落ちてくるのも脳梗塞の症状

 そしてSpeachは麻痺のせいで言葉が出にくくなる。ぱぴぷぺぽを3回繰り返して言えない場合はアウト。

言葉が出にくいというのも典型症状

 そして最後のTはTimeで時間が重要。tPAという血栓を融解する薬を使えるのは発症から4時間以内で、実際には患者の10%ぐらいしか受けられていないという。さらに2015年に認められたもう少し時間的余裕のある治療法として、脳の血栓を直接にカテーテルでかき出すという治療法も登場しているという。

 

 

予防には脳ドック

 予防と言えば脳ドック。ということで脳ドックの紹介になる。その検査はMRIを使用して血管トラブルを発見するのだという。実際に50歳以上だと10%ぐらいには異常が見つかったりするという。脳ドックで見つかることがあるのが、隠れ脳梗塞。これは無症候性脳梗塞と言い、脳の細い血管が詰まって小さな脳梗塞が起こっている状態。症状がないから気付きにくいが、認知症などにつながる危険があるという。患者の中には仕事での書き間違いが増えた、言葉が出ないなどの症状が見られた例があるという。さらにMRAという血管を三次元に見る検査でさらに細かいトラブルを観察することも可能とのこと。

脳ドックでMRI検査を



 以上、夏に要注意の脳梗塞について。それでなくても高齢者などは喉の渇きに気がつきにくくなっていて、知らず知らずに脱水症状になっていることがあるから要注意。とにかく誰かがこういう症状が出たら、とりあえず救急車ということは心得ておく方が良い。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・夏になると脱水で血液がドロドロになることによる脳梗塞が発症しやすい。
・しかし脳梗塞のめまい、ふらつき、吐き気などは熱中症と間違いやすいので要注意。
・また一過性脳虚血発作(TIA)という脳梗塞の症状が数分で解消する事例があり、これはこの時に治療をしておくと、後の本格的な脳梗塞の発作を防げる。
・脳梗塞の症状の判断はFACEと言われ、顔面の麻痺、腕を前に上げると片側が落ちる、言葉が出にくいなどが典型的症状、またTはTimeで早く治療が始めることが重要という意味。
・発症後4時間以内だとtPAという血栓溶解剤が使用できるが、これを使用した患者は実際には10%程度とのこと。最近はカテーテルで直接血栓をかき出す方法が認可された。
・予防には脳ドック。症状は出ていなくても認知症につながる危険のある微少脳梗塞などが発見できることがある。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・正直、成人病のデパート化しつつある私は、血管に関しては自信ないですね。最近の知力集中力の低下を見ると、微少脳梗塞ぐらいはあるかもという気も。それに唇に謎のしびれが短時間ってのは、実際に経験がある。私の場合は幸いにしてその後に脳梗塞の本格発作とかはなかったが。

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