またも大河の宣伝企画です
さて今回は低迷する大河ドラマのテコ入れの一環で、この番組を使った大河ドラマの宣伝です。まあ大河で鉄板のはずの三英傑をもろに出して、それでも視聴率が低迷してるんだからNHKとしては大問題なんだろう。そこで視聴者に歴史ファンが多いこの番組でアピールってとこだろうが、歴史に詳しい者は既にあのファンタジー大河を見切っているし、そもそもこの番組自身もヒストリアに比べてさらに中身が薄いと歴史ファンから半分見限られてるんだから、どの程度の宣伝効果になるものやら・・・。
小牧長久手の戦い
まず最初は家康と秀吉が最初に正面から激突した小牧長久手の戦いについて。この戦いは段々と実力を増していく秀吉に完全に抑えられた信長のバカ息子こと信雄を、家康が担いで起きた戦いである。ただ家康側の兵力3万に対し、秀吉側は10万と、家康は兵力的に完全に劣勢。そこで家康は小牧山城に籠もることにする。
小牧山城は信長が尾張統一の際に築いた城であり、石垣作りの先進的な城であるが、その石垣は高さ3メートル程度と、既に当時の戦いではやや心許ないスペックであった。そこで家康が行ったのは、深さ6メートルの巨大な堀を掘ること。これによって小牧山城を短期間で鉄壁の要塞に作り替える。なお番組ではドラマ中のこのシーンを見せているが、また全く同じセットの使い回しである(初期の城攻めはすべて同じセットだった)。安っという感想しかない。
さらに東に続く砦もリニューアルして鉄壁の防御壁を作った家康軍を秀吉は攻めかねる。そこで秀吉は別働隊に三河を攻めさせる。家康が城から出たところを叩こうという策略である。これに対して家康は三河防衛のために出陣することにするが、それを察知されないようにするのに役立ったのが先の巨大な堀だという。枡形を掘り下げて堀底に直接出て移動することで、敵方からは軍勢の動きが完全に目隠しされたのだという。こうして秀吉の別働隊を家康は殲滅する・・・ってとこで話は一旦終了? えっこの後は?
上田城の攻防
次は秀吉が上杉なども配下に加えて勢力を圧倒的に拡大した時の話になる。武田が滅んだ後に信濃と甲斐を手に入れた家康は、信濃の北の防御に堅城である上田城を築く。上田城は西と南を千曲川で守られ、北は巨大な堀で防御している。そしてこの城で守りについたのが知将・真田昌幸である。
しかし真田は知将であると同時に「表裏比興の者」と言われた曲者。これがなんと秀吉に寝返ってしまう。そうなる家康は信濃を失う恐れも出てきた(実際に信濃でドミノ倒しのような寝返りが発生している)。これを防ぐには上田城を落として真田を滅ぼすしかない。上田城の弱点も良く知っている家康は、部下を送って上田城の弱点である東側から攻撃させる。
だがこれが真田の思うつぼだった。知将・真田昌幸は家康軍の攻撃など予想の上で東に2つの出城を築いていた。東から攻めた家康軍は出城からの挟み撃ちの攻撃と本城からの攻撃とで壊滅する・・・とここまで。
一方、豪華極まりない城である大坂城の紹介があってから、その秀吉がついに1585年11月に、大軍を動員して家康を討つことを決意する。どうする家康・・・というところで前編終了で残りは来週とのこと。
もう正直、「薄っ」という感想しかないぐらいの中身の薄さ。松潤をゲストに招いてグダグダやってるだけで、後は歴史の紹介はもう分かりきっていることをしかもダイジェストで紹介という中身のなさ(過去の使い回しも多い)。結局は今の大河を見る視聴者層をその程度のレベルに想定してるから、あんな酷い歴史捏造を出来るんだなと納得してしまう次第。
忙しい方のための今回の要点
・家康と秀吉が直接対決した小牧長久手の戦いでは、家康は小牧城を深い堀と土塁で強化して兵力的に有利な秀吉軍に対峙する。
・秀吉は別働隊に三河を攻めさせて家康が出てきたところを叩く作戦を立てるが、家康は堀を利用して極秘裏に出陣、秀吉の別働隊を完膚なきまでに叩く。
・その後、秀吉はさらに勢力を拡大。家康は信濃を守るために堅城の上田城を築いて知将の真田昌幸を配するが、その昌幸が秀吉に寝返ってしまう。
・信濃の危機に家康は部下を派遣して、上田城の弱点である東側から攻撃させるが、そこは既に昌幸が極秘に出城を築いており、家康の軍勢は散々に撃退される。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・この番組って、以前から他の番組の宣伝が多すぎて、しかもそう言う時には目に見えて番組の内容がさらに低下します。今回なんて酷すぎますね。まああらゆる意味で今年の酷すぎる大河を現していますが。
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