教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

9/17 TBS系 世界遺産「日本初撮影!ジャングルの大瀑布とゾウ」

巨大な滝と絶滅危惧種のゾウが住む森林

 今回の世界遺産はガボン共和国のイヴィンドゥ国立公園。ここはアフリカ中部最大の幅3キロの巨大な滝がある。イヴィンドゥ川の中流にあるのがその滝。ジャングルの中を流れる川は黒いが、これは落ち葉などのタンニンのせいだという。コングウの滝は落差30メートルほど。実はコングウの滝は1つではなく、13の滝の集合体で幅3キロに及ぶ。ちなみに日本初撮影とのことで、番組ではボートにドローンを駆使した撮影に取り組んでいる。


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 ここの下流のロペ国立公園は草原に細長い森が続く不思議な風景をなしている。この森には1000頭以上の群れをなす猿であるマンドリルなどが住んでいる。そしてここに住む絶滅危惧種がマルミミゾウである。マルミミゾウは小型の象である。そして熱帯の森林には象が集まる秘密の湿原がある。深い森の奥に突然に開けた湿原があり、それをバイと呼ぶのだという。中央に川が流れており、その脇に丸い水場があり、そこにマルミミゾウが集まるのだという。この脇には研究者のための撮影小屋が建っている。

 

 

ゾウが作ったバイ

 マルミミゾウはこの水場で水を飲むために集まってくる。ここからは森に続くゾウ道と呼ばれる通路があり、象が通った跡だという。そこを進むとゾウが食べた木の実や、身体をこすりつける木などが見られる。またマルミミゾウがバイに集まるのは、ここにはミネラルなどが集積されており、ゾウは泥ごとミネラルを摂取するのだという。ゾウが集まって泥を食べて歩き回ることで、木はなくなって湿地であるバイが出来るのだという。

 この湿地には絶滅危惧種であるニシゴリラなども登場する。湿地に生える水草を食べるのだという。成熟した雄は背中の毛が銀色になるのでシルバーバックと呼ばれる。彼らは森とバイを往復して生活している。

 夜になるとより多くのマルミミゾウがバイに集まってくるという。そして真っ暗な中からゾウの絶叫が森に響き渡る。これは暗闇の中でメスが自分の存在を他に伝えるためだと言われているという。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・アフリカのガボン共和国のイヴィンドゥ国立公園には、幅3キロで13の滝からなるアフリカ中部最大のコングウの滝がある。
・この周辺の熱帯の森林には絶滅危惧種のマルミミゾウが住んでおり、彼らが集まるバイと呼ばれる水場がある。
・ここにはゾウがミネラルを泥ごと摂取するためにやって来る。バイはゾウが泥を食べ、踏み荒らして木をなくすことで誕生したのだという。
・このバイは絶滅危惧種のニシゴリラの餌場にもなっており、生態系にとって重要な役割を果たしている。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・ゾウって、ここに限らずよく地形を作っちゃうんですよね。なんせゾウの巨体自体が重機みたいなものだから、ゾウが歩き回るだけで地形が開けたり、地面が押し固められたりする。

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