教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

10/8 TBS系 世界遺産「8K特別編 古代エジプト 巨大ピラミッドの謎」

エジプトの三大ピラミッド

 エジプトの三大ピラミッドは有名であるが、これがあるメンフィスとその墓地遺跡には貴重な遺跡のオンパレードで、今でも新発見がある。


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 世界遺産の墓地遺跡群はナイル川沿いの古代都市メンフィスの西の砂漠に広がっている。一番北のギザはカイロのすぐ隣のギザ台地にあり、ここに有名な三大ピラミッドが存在する。クフ王、カフラー王、メンカウラー王の三代の王の墓である。一番大きなクフ王のピラミッドは200万以上の意志が積み上げられているという。現在は頂上部分がなくなっているので建設当時よりは若干高さが低くなっている。

 これらのピラミッドがギザ台地に作られたのは、ナイルが年に4ヶ月は氾濫し、その時に台地の縁まで水が来たからだという。スフィンクスがあるのはかつての川岸であり、モデルは建設したカフラー王だという。実は後世の王に着色されていたという。各ピラミッドには川岸まで参道が通っていて、この参道沿いに神殿があり、王の遺体は川を運ばれると神殿の中でミイラにされたのだという。そしてミイラは参道を通ってピラミッドに運ばれた。なおピラミッドを建設した岩は周囲から切り出されたものであるが、今でも頂上付近に化粧石を使用した跡が残っており、この化粧石はナイルの対岸から削り出されたもので、かつてはそれが全面を覆いピラミッドは真っ白だったのだという。

 

 

サッカラでの新発見と最古のピラミッド

 サッカラの立ち入り禁止エリアは現在多数の新発見で湧いているという。その中で2019年に発見された墓所の地下では、当時の色彩をそのまま留める色鮮やかな壁画の空間が発掘された。4300年前のもので貴族のクウィの墓であることが壁画から確認されている。壁画にはクウィがなくなった後も豊かな暮らしが出来るように、ご馳走の絵が描かれているという。また貴重なミイラも発見されており、4000年以上前からミイラが作られていたことが分かった。

 ここにはエジプト最古のピラミッドも存在する。このジェセル王のピラミッドは階段状になっている。6キロに及ぶ長い通路を辿った先の石室には巨大な王の棺が見つかった。高さ4.73メートルで世界最大の石の棺である。また近くの地下空間には釉薬を付けて焼いた緑色のタイルの壁が存在し、ここにジェセル王の雄々しい姿が描かれている。これは王の権威を誇示するものであった。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・エジプトのメンフィスの墓地遺跡群では今でも新しい発見が相次いでいる。
・有名な三大ピラミッドはカイロの近くのギザ台地上にあるが、ナイルが氾濫するとこの台地の縁まで水がくることから、台地上に建設された。
・王の遺体は川を運ばれて、参道沿いの神殿でミイラにされてピラミッドに運び込まれたとされている。
・建設当時のピラミッドは表面をナイルの対岸から切り出した化粧石で覆っており、白くなっていたという。
・サッカラの墓地遺跡では4300年前の色彩を留める鮮やかな壁画が地下から発見された。
・この地域に最古のピラミッドもあり、階段状になっている。その内部からは世界最大の石の棺が発見されている。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・ピラミッドはまだまだ謎が尽きないようです。しかし全長6キロの通路って、閉所恐怖症はない私でも流石に息が詰まりそうだな。日本人としては「もし今、地震でも来たら」とか考えてしまいそう。あの辺りは地震は滅多にないんだと思うけど。

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