教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

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11/26 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「eGFRってなに? 経験者に学ぶ!腎臓病の真実」

慢性腎臓病になる前の早期発見のための指標

 慢性腎臓病の患者は急増しており、今や成人の8人に1人が慢性腎臓病であり、人工透析を受ける患者も急増しているという。腎機能は相当下がるまで自覚症状が出ない上に、腎機能の低下自身が心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めることになる。そのような腎機能の低下を早期に発見するための指標がeGFRだという。これが60未満の状態が3ヶ月以上続くと慢性腎臓病だという。このような腎臓病について学んでいく。

慢性腎臓病の患者が増加している

 最初に登場するのは慢性腎臓病を患っている患者の体験談。60代の女性は33才の時に健康診断でタンパク尿が見つかって腎臓内科に通うようになったという。一方の50代の男性は高校生の時に尿に潜血が出たという。二人とも若くして患ったわけだが、自覚症状はなかったという。このように見つけにくい腎臓病を早期に発見するのがeGFRで、90以上だとG1で正常、89~60がG2で正常または軽度低下、59~45がG3aで軽度から中等程度、44~30はG3bで中等度から高度低下、29~15がG4で高度低下、15未満だとG5で高度低下~末期腎不全となるという。そしてG3a以下が慢性腎臓病に該当するという。このeGFRは腎臓の老廃物濾過の性能のパラメータだという。彼らの時代はeGFRはなかったが、クレアチニンの値から推測すると数年でG5になったという。

 またこのeGFRは老化とともに低下するものであり、年に0.8~1ぐらいは下がるので、そのラインが低かったり下がり方が早かったりすると、寿命よりも腎臓が先にダメになるということであるという。

 

 

腎機能の低下を防ぐために

 腎臓の濾過する働きを実感するために人工透析器に牛乳を入れてみると言うことをしているが、透明な液体になって出てくる。しかも色はないのに牛乳の味はするという。細孔のあるフィルターで身体に必要なたんぱく質や脂肪は身体に戻し、それ以外は排出するようになっているという。腎臓ではこの濾過を糸球体で行っているが、これが破壊されるとたんぱく質や赤血球などが尿中に出てしまうのだという。なお腎機能が極端に低下してくると、尿量のコントロールが出来なくなって夜間頻尿やむくみなどの自覚症状が出てくることになるという。場合によってこのむくみが心臓などに出ることがあり、そうなると心不全などを起こす可能性がある。

 先ほどの女性は週に3回、透析に通っているという。雨が降ろうと台風になろうと必ずだし、その度に数時間かかるので大変だという。一方の男性の方は腎移植を受けて、G5からG3aに改善したとのこと。女性の場合は現在はG4だとのことだが、透析は続けないといけない状態である。腎臓病に注意するのは40代~50代で、腎機能は低下すると回復しないのが大問題であるという。

人工透析は患者の肉体的負担が大きい

 なお腎機能低下の原因は塩分の多い食事と糖尿病だという。塩分が多いと水分が増えて血圧が上がるし、糖尿病は血管を痛めるので共に腎機能低下に繋がるという。対策はやはり食生活で主食に雑穀米を用いるなどは効果的だという。

 

 

腎臓病を回復させるための最先端治療

 なおステージ5になった人の回復方法として再生医療の研究が進んでいる。ただiPS細胞から腎臓の元を作り出すところまでは簡単なんだが、そこから腎臓を作るためのスイッチを入れるのが難しく、まだどういうメカニズムかが分かっていないという。そこで豚の腎臓を作るためのスイッチを借りるのだという。つまり豚の腎臓を合成する細胞を取りだし、そこに人のiPS細胞を滴下することで、豚の腎臓になるためのスイッチが人のiPS細胞のスイッチも入れるのだという。そうしてスイッチが入れば小さな腎臓が合成されるので、それを体内に移植して育てるのだという。要するに3つめの腎臓が体内に出来るのだという。


 以上、腎臓について。糖尿病のある私も要注意なので、常にHbA1cと共にeGFRは検査を受けていますが、目下のところは80程度で幸いにしてまだ腎臓は大丈夫です。ただ最近は、足にむくみが出やすくなっているので警戒が必要です。

 それにしても最後の再生医療の情報には驚いた。もう既にそんなに実用化が近い状態まで来ていたとは認識していなかった。そう言えば糖尿病の治療の方も膵臓の細胞を培養するという技術があったはずである。健康と言い難い人間にとっては、将来の希望に繋がる話ではある。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・現在、成人の8人に1人が慢性腎臓病を患っており、人工透析の患者も年々増加している。そこでeGFRの数値に注目して、腎臓病の兆候を早期発見するのが重要である。
・eGFRは腎臓の濾過機能を表す数値で、60未満が3ヶ月続くと慢性腎臓病と診断される。腎臓病は初期には自覚症状がないが、重症になると夜間頻尿やむくみなどの症状が現れるようになる。
・腎臓が悪化する原因は塩分の多い食事、糖尿病などがある。防止するには主食を雑穀米に変更するなどの手がある。
・悪化してしまった腎臓の回復は不可能だが、現在最先端の研究ではiPS細胞を用いて腎臓を作り出して移植することが検討されている。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・医療技術の進歩はスゴいですが、とにかく病気にならないのが一番。それにしても糖尿病ってつくづくヤバいな。

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