氷河渓谷の国立公園
アメリカのヨセミテ国立公園は大自然が作り出した屈指の景観から格好の観光地となっており、年間430万人以上が訪れる。入場料は自家用車1台辺り35ドルで1週間だという。
国立公園内は氷河の侵食で出来た地形で巨岩や滝の風景で知られている。総面積は東京都の1.5倍あり、ヨセミテ渓谷がそのメインステージである。ドームの半分が削られたハーフドームのなどの奇岩が見られる。車で行けるのほんの数%の範囲だが、その中でも切り立った断崖や落差739メートルで北米最大のヨセミテフォールを見ることが出来る。
この滝の水源は山の上からの雪解け水。標高3000メートルの山には雪が積もっており、その下には氷河も残っている。ここからの雪解け水が滝として流れ落ちてヨセミテの水源となっている。
自然観光が出来る国立公園の祖
緑豊かなヨセミテ渓谷には野生の動物も多くいる。500頭近くの熊なんかもいるので、キャンプをする人は食糧や匂いのするものはロッカーに入れるように義務づけられている。人間の食べ物を熊が漁らないようにするためである。
また切り立った断崖は多くのクライマーを引き寄せる。世界最大の花崗岩の一枚岩のエル・キャピタンにはロッククライマーの姿が見られる。ここは彼らの聖地なのだという。
ヨセミテは自然保護の考え方の始まりの地でもある。ジョン・ミューア・トレイルという名のトレッキングルートは全長340キロで、手つかずの自然の中を歩けるようになっている。元祖は自然保護の父と呼ばれるジョン・ミューアで、彼は時の大統領のセオドア・ルーズベルトを招待して自然保護の重要性を訴えて、160年前にアメリカ初の景観保護区になり、これが国立公園の創設に繋がる。そして渓谷の周辺だけは自然を楽しめるようにホテルなども整備されたのである。
忙しい方のための今回の要点
・アメリカのヨセミテ国立公園は氷河の浸食による奇岩の風景などを目的に、多くの観光客が訪れる。
・ここには北米最大の落差の滝もあり、水源は雪解け水である。
・また切り立つ断崖はクライマーの聖地ともなっている。
・かつて至善保護の父と呼ばれるジョン・ミューアが、ここに大統領のセオドア・ルーズベルトを招待し、自然保護の重要性を訴えたことが後の国立公園創設に繋がった。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・まあ日本にはなかなかない光景ですね。あえて似たような光景を引っ張り出すなら、富山の立山の称名の滝でしょうか。
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