患者は3人に1人、新国民病の逆流性食道炎
今回のテーマは逆流性食道炎。胃の入口がしっかり閉まらないことで、胃液が食道に登ってきて荒れる病気である。食の欧米化あたりから増加しており、新国民病とも言われ3人に1人が患っているという。軽く見られがちだが、放置すると最悪はガンにつながる危険もある病気である。
胃の入口の下部食道括約筋が弱ると逆流性食道炎を起こすという。番組では胸やけなこみ上げなどの症状があるという3人が検査を受けているが、検査の結果は見事に全員が逆流性食道炎で、1人はかなりの重症ですぐに治療が必要な状態だという。
逆流性食道炎が侮れないのが、粘膜で守られていない食道が強酸の胃液にさらされるからである。番組では胃酸と同じ酸に肉を入れているが、すぐに色が変わって白くなり、数時間後に溶けて小さくなっている。これが体内で起こると大変である。また胃酸の逆流で起こる症状として、中耳炎、副鼻腔炎、歯が溶ける、口内炎などもあるという。そして長期にわたって放置するとガンが発生することもある。
逆流性食道炎につながる生活習慣
番組ではさらにこの3人の生活を観察して、逆流性食道炎の原因となる習慣を指摘している。一番重症だった男性は、朝から毎日キムチを食べているがこれがアウト。刺激があることで胃液が多く出るのだという。また音楽が趣味である彼は歌も歌っているのだが、実はこれもアウト。声を出すときにお腹から出すと腹圧がかかるので、食後すぐに大声で歌うのは危険だという。彼の場合、これ以外にも脂っこい食事に多量の飲酒などかなり悪い習慣がある。そして睡眠だが、この時も右を下にすると胃液が食道に逆流しやすくなってしまうのだという。
次の男性が指摘されたのは猫背での仕事姿勢。猫背は腹圧がかかるので胃酸が逆流しやすいという。そして最後の女性はかなり健康的な生活を送っているのだが、お腹を締め付ける服装が良くないとの指摘。これも腹圧がかかる理由になるという。また高齢者の場合の注意は、ピロリ菌を除菌したことによって胃酸が増えて上がってくるなんて例もあるという。
予防に最新治療法
予防は規則正しい生活だが、さらに番組では横隔膜体操を紹介。横隔膜を鍛えると胃の入口の緩みが緩和されるのだという。その方法は足を肩幅に開いて背筋を伸ばし、両手を頭の後ろに組む。そしてそのままゆっくりと息を吸いながらお腹を膨らませ、息を吐きながら腕とかかとを真上にあげて全身を伸ばす。これを1日10呼吸で1セット、1日に1~2セット行うのだとか。ただし食後の運動は逆効果なので、食前に行うようにとのこと。
治療であるが、まずは薬だが、それが効かないぐらいの重症になると手術になるという。従来は食道を縛っていたそうだが、最新の治療は壁に傷を付けることで、傷が治る時に収縮することで胃の入口を閉めるのだという。これは内視鏡で行うのだとか。従来の開腹手術よりも患者の負担が少ないのが特徴である。3年後も約半数の患者が薬の必要もなく生活しているとのこと。ただし最近に認可された最新治療法なので、まだやっている病院は限られるとのこと。
以上、逆流性食道炎について。これは私もあり、調子の悪いときは食後にいつもゲーゲー言ってます。それに食後に運動なんかした日には、多分途中でもどします。逆流性食道炎は肥満の副産物のようなもの(肥満は腹圧が上がりやすい)で、デブの宿命などとも言われてます。まあ王道はやはり規則正しい生活なんでしょうが・・・。
忙しい方のための今回の要点
・新国民病とも言われているのが逆流性食道炎で、現在3人に1人が患っているという。
・胃酸が粘膜で守られていない食道に上がってくるので、食道が荒れ、それが長年に渡って続くとがんを発症することもある病気である。
・要注意の生活習慣は、辛いものなど胃を刺激する食品の大量摂取など。また腹に力を入れて歌うことも食後は禁止。猫背の姿勢やお腹を締め付ける服装なども腹圧が上がるので危険。
・予防には規則正しい生活だが、番組では横隔膜を鍛える横隔膜体操を紹介。
・治療は最初は薬だが、それで治らない重症患者は手術をすることになる。かつては開腹して食道を縛っていたが、今は胃の入口の壁に内視鏡で傷を付けることで、傷が治る際の収縮を利用して口を狭める新治療法が認可されている。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・これって実際に要注意です。一番ひどい時なんて、胃液が口の中どころか鼻から出て来たことがあるので、副鼻腔炎や中耳炎になるってのは良く分かります。
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