最新便秘対策を紹介
今回のテーマは悩んでいる人も多い便秘。その対策について「便通異常症診療ガイドライン2023」に基づいて紹介したいとのこと。
便秘解消に効果のある新食物
まず便秘に効く食べ物として新たに紹介されたものであるが、それがキウイだという。例によって番組ではキウイ農家に取材しているが、農家からは便通改善したという報告が上がっている。若い頃から便秘に苦しんでいたというお母さんも、キウイ農家でパートをしてから毎日キウイを食べるようになって便秘が解消とのこと。
キウイが便秘に効くメカニズムだが、キウイは保水力(便が軟らかくなる)、膨張力(便の嵩が増す)の効果が共に高く、さらに水溶性植物繊維が豊富でタンパク分解酵素も含まれている上にビタミンCなども多いことが効果がある理由だろうという。
なおグアーガム分解物なるものも記載されているが、これはインド原産のグアー豆の食物繊維から作られるものだとか。日本でも高齢者施設などでの使用なども始まっているとのこと。
食事で改善しない便秘と対策
次は食事や運動で改善しない便秘の対策。近年増加しているのが直腸に便が溜まってしまうタイプの便秘。食物繊維などの対策は直腸の前で効くものなのでこの手の便秘には効果がないという。このタイプの便秘の理由は直腸が便意を感じなくなっていること。実際に直腸に肛門から風船を挿入して直腸内で膨らませて便意を調べる検査を行ったところ、患者はかなり空気を入れないと便意を感じなくなっているという。
この便意消失の理由は便意を感じた時に我慢を続けることによるという。それを繰り返している内に直腸の便意センサーが便意を伝えなくなってしまうのだという。こうなると便意が消失してしまうのだという。子供の中ではこれが原因で直腸の形が変化してしまう例があるという。成長期に要注意だという。
これの対策としては、便意がなくてもトイレにいく習慣をつけることだという。実際に便秘に悩んでる人にこれを実践してもらったところ効果があったとしている。便意に意識を向けることで便意に対する感度が上がってくるのだという。
なお排便のタイミングだが、大蠕動という大きい腸の動きが生じることがあり、この時が排便のチャンスであるという。そのタイミングとしては胃-結腸反射といって胃にものが入ることによって引き起こされる腸の動きで、特に朝が起こりやすいという。
では朝食を摂れない場合であるが、リラックスタイムが排便のチャンスであるという。とりあえず便が出なくても2週間は続けてみるのがポイントだという。なか市販薬には刺激性便秘薬があるが、これは短期の不調の場合は良いが長期の服用は腸を荒らすことがあるので避けるべきとのこと。
以上、便秘の対策について。子供の問題が挙げられていたが、私が子供の頃などはなぜか学校で大便をすると不潔扱いされて冷やかされるという子供特有のアホな習慣があったから、これなどは有害の最たるものだったろう。また私が子供の頃の学校のトイレは和式で使いにくい上に不潔なので使用が不快すぎてなかなか行きにくかったということもあり、私も子供の頃はやや便秘気味だったように感じる。そういう点ではこの数年で日本のトイレ事情は劇的に改善したことがこの方面では事態の好転につながるのではと思っている(洗浄式トイレの登場が1つの転機だが、これは使い方を間違えると今度は痔の原因となるので要注意)。なお私は現在は便秘よりも下痢気味である。
忙しい方のための今回の要点
・最新の便秘対策ガイドラインに便秘解消に効果のある食物としてキウイが追加されることとなった。
・キウイは保水力、膨張力が高い上に大量の食物繊維を有するなど、便秘解消に効果的な成分を保有している。
・またインド原産のグアー豆の食物繊維であるグアーガム分解物も今回追加された。
・近年は便意が消失することで直腸に便が溜まるタイプの便秘が増加している。これは便意を我慢することを重ねた結果、便意のセンサーが鈍ったことによるという。
・子供の場合には直腸が変形して拡張してしまうこともあるので要注意だという。
・対策は定期的に排便する習慣をつけること。便意に意識を向けることで便意への感度が向上してくるという。
・また排便のタイミングは腸が大蠕動した時が良い。朝食後が一番顕著であるという。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・私の場合は現在は便秘よりも慢性的な下痢の対策の方が欲しいですね。正直この数十年便秘で苦しんだことはなく、むしろ下痢でトイレに通いづめの方が多かったです。下痢の原因と対策も紹介して欲しいところ。
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