生物の多様性を示すマップを作成
絶滅する動植物が相次いでいて生物多様性の維持が懸念されている今日、その状況を明らかにするために生物多様性を見える化しようという取り組みが開始されている。
biodiversity-map.thinknature-japan.com
生物多様性地図が現在ネットで公開されている。この地図はズームアップして日本のどのような地域でも何種類の動植物がいるかなどの多様性情報が記載されているという。この地図はフィールド調査などに基づいて製作されたもので、琉球大学の久保田康裕教授が70年間に及ぶ膨大なデータを元に手入力し、その点のデータを基に周辺の環境データに基づいてAIで分布確率地図にしたものだという。
この地図によると東京なんかでも川沿いなどを中心に意外に多くの鳥類が生息しているなどということが分かるという。これを用いて生物多様性の保全優先度を定めることができるという。固有種の多い地域などが中心となるので、離島などが選ばれることが多いという。沖縄では既にこの地図を使用して種の保存に取り組んでいる。
また住宅の庭などに樹木を植えてもらうことで、その地域の在来種の住処を作るなどという取り組みも行われている。1900万本の木を今までに植えてもらっており、そのことによって生物多様性が増すことが確認されているという。
このデータを用いたアプリも開発されており、生物多様性地図に基づいて生息すると考えられる生物の写真を検索することが出来るのだとか。
忙しい方のための今回の要点
・生物多様性を見える化する生物多様性地図がネットで公開されている。
・これを製作したのは琉球大学の久保田康裕教授。フィールド調査などに基づく70年分のデータを入力し、そこに環境データを加えることでAIで生物の分布確率図を作り出した。
・これを用いて沖縄では種の保存に取り組んでいるし、また住宅の庭に木を植えることで鳥などの在来種の多様性を増す取り組みなども開始されている。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・点のデータをAIで分布データに変換するという辺りがいかにも今時で興味深いところ。またこのような膨大なデータを扱えるのもコンピュータ様々である。
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