絶滅危宝庫の公園
ネパールといえばエベレストが有名だが、その麓のチトワン国立公園は絶滅危惧種の宝庫であるという。インドとの国境付近の国立公園の面積は、東京23区の1.5倍である。
川筋には絶滅危惧種のヌマワニに、同じく絶滅危惧種で細長い口が特徴的なインドガビアルが暮らしている。その背後には草原があり、その奥の森にはベンガルトラが生息する。番組では現地ガイドに案内されてベンガルトラを探しにいっている。サラの木が生える森林にはハヌマンラングールという猿が葉や実を食べるが、彼らが落とした実を鹿が食べる。その鹿を狙ってベンガルトラが出るのだという。このサラの木が元になる生体系がここが世界遺産に選ばれた理由だという。
トラは世界で8種が生息するが、いずれも絶滅危惧種だという。その中でベンガルトラはネパール全体でも350頭あまりしかいない貴重なトラだという。番組ではトラの足跡を発見、近くにトラがいるのではと推測されたが、結局はトラは見つからなかったとのこと。
保護の一方で発生する問題
次は草原に出ると絶滅危惧種のナマケグマを発見。ナマケモノに似ていることからついた名前だとか。野焼きの後に生えてきた栄養豊富な草が目当てで現れたのだという。次には体重3トンの絶滅危惧種のインドサイを発見。彼らは1日に90キロの草を食べるという。サイは自然界ではほとんど敵はいないが、角が漢方薬になるとして人間に乱獲されたせいで数が減少している。世界には5種のサイが生息しているが、すべてが密猟で絶滅に瀕しているという。
チトワン国立公園の近くの町では、町中にサイが現れることもあるという。住民は慣れっこになっていて今更驚かないとか。森の中でサイの親子を発見したが、サイは1頭生むと次を生む直前まで親子一緒に暮らすという。なおチトワンでのサイの数は増加しており、2016年には606頭だったのが、2022年には694頭になったという。密猟の取締が功を奏したという。またベンガルトラも2018年の93頭から、2022年には128頭に増加している。しかしそのために人里にトラが現れて、村人が犠牲になる事件なども発生したという。人を殺したトラらは野生に戻せない(再び人を襲う可能性が高い)ので、収容施設に隔離されることになる。
忙しい方のための今回の要点
・ヒマラヤ山脈麓のチトワン国立公園は絶滅危惧種の宝庫である。
・川筋にはヌマワニにインドガビアル、森林には絶滅危惧種のベンガルトラが生息する。
・また草原地帯にはやはり絶滅危惧種のインドサイが生息する。サイはたまに近くの町中に現れることもあるという。
・サイやトラが密猟の取締などが功を奏して数が増えてきているが、そうなると今度は村人がトラに襲われるなどの被害も発生しているという。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・最後に野生動物保護の難しさのようなものがチラリと出てますね。確かにトラなんか増えすぎたら恐ろしいことになるんだよな。日本でも最近は熊とかが地域によってはその傾向が出ており、保護と駆除のバランスが難しくなってきている。
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