教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

9/8 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「原因は生活の中にあり 難聴を進行させる悪習慣」

増加している難聴患者

 今回のテーマは難聴。現在社会問題化しつつあるのか、先にトリセツショーでも同じテーマを扱っていて、内容的には被る部分も少なくない。

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 最初に登場するのは難聴の人にはどういう風に聞こえているかを再現した音声。確かに非常に聞き取りにくい。なおこの音声は難聴者が聞き取りやすい喋り方を訓練するための「想いやりトーク」という無料アプリによるものだとか。ちなみに国内で難聴患者は推定1200万人以上おり、50才辺りから増え始めて65才を超えると急激増加するという。そしてその原因は生活の中にあると言う。

 番組ではまず難聴チェックリストとして、数人での会話を聞き返す、後ろからの呼びかけに気付かない、聞き間違いが多い、話し声が大きい、耳鳴りがあるを挙げており、1つでも該当したら注意した方が良いとのこと(私はもろに全てが該当しました)。で、難聴が問題視されているのは、これが認知症につながりやすいということ。軽度難聴で2倍、重度だと5倍も認知症リスクが上がるという。

 

 

生活習慣に潜む難聴の原因

 ここで最近耳が遠くなったという70代の男性の生活に密着している。難聴は有毛細胞が傷つくことで起こる。この有毛細胞の損傷は蝸牛の入口の高音部ほど起こりやすいので、高い音から聞こえなくなる。この男性ももろに体温計の音が聞き取れない(これは私もである)。彼は高音部が聞こえなくなっており、これは加齢性難聴の特徴だという。

 彼の生活のチェックだが、朝の掃除機の音や芝刈り機の音は大きいがあくまで「注意」というレベル。身近な生活音では余程長時間でないと問題が出ない。要注意はドライヤーでこれは100dBあるので1日20分以上で要注意だという。そして一番危ないのがイヤホンでの音楽。最大音量の60%ぐらいで1時間1回、10分程度の休憩をするようにとのこと。

 昼食はパンと牛乳のみだが、ここで警告が。食生活が乱れているので血流が悪くなって内耳の損傷が早くなるというのである。3食バランス良く摂るのが大事で、黒ごまが亜鉛を含むのでお勧めとか。

 さらに夜だが、いびきをかいているのが危険。これはいびきの音量がということよりも、睡眠時無呼吸症候群があるということで低酸素状態で自律神経が乱れるので、内耳のリンパ液の流れが悪くなって有毛細胞の信号が伝わりにくくなるのだとか。さらにカフェインの摂りすぎも良くないという。適度な運動とカロリー制限が重要とか。なお難聴は遺伝もあるという。首の後ろの天柱というツボを刺激することでの血行改善を勧めている。で、難聴が既に進んでしまった人に対してだが、対策としてはやはり補聴器。

結局は一番の対策は補聴器ということになります

 

 

突発難聴の恐怖

 次は突発性難聴について。誰でもいつでもどこでも発症する危険のある難聴である。年齢、性別などに関係が無く発生する。突然左耳が聞こえなくなったという40代の男性の場合、夜に耳が詰まった感覚があったが、翌朝には立ち上がれないほどの目眩がして、左耳が聞こえなくなったのだという。彼の難聴の原因は血行障害ではないかという。ウイルス、アレルギー、ストレスなども原因になるという。実際に彼もコロナの影響での業務不振でかなりのストレスがあったという。治療法だがステロイドを直接内耳に注入する(特殊な針で鼓膜を通すらしい)鼓室内注入という方法を取るという。6割の患者に改善が見込めるが、重度の場合には聴力が戻らないこともあり、一刻も早い治療が大切とのこと。耳が詰まった感じが続いたら耳鼻科へとのこと。3日以内がポイントで、2週間以上経過すると改善率が低いとのこと。なお兆候としては、耳が突然聞こえなくなった、片耳だけこもる感じがする、片耳だけ耳鳴りがする、音が二重に聞こえる、めまいがする、気圧がかかったような違和感があるなどである。

突然に耳に違和感が出たら要注意

 

 

 以上、難聴について。なお私も30代ぐらいで突発難聴の診断を受け、結局はその後も徐々に難聴は悪化し、50代の現在では諦めて補聴器を使用しております。なお私の30代の頃というと、ちょうど直属上司からの強烈なパワハラを受けており、連日ストレスフルな生活を続けていました。最初に著しい聴力低下があったのはまさにその時期に当たります。
 なお補聴器の使用は私もご多分に漏れず「まだ早いのでは」という抵抗があったのですが、実際にテスト使用してみるとすこぶる調子が良く、最終的な一番の問題は価格の面(両耳で30万円以上する)でしたが、やはり仕事にも差し障りが出始めていたこともあり、一大決心でボーナス投入を決定しました。

 ちなみに初めて試した時には、自分が今までいかに聞こえてなかったかが分かって驚きます。なお現在の補聴器はかなり小さくなっており、装着の違和感はほとんどありませんし、聞こえ方については耳に合わせて調整するのですぐに慣れます。ということで現在の私は、聞こえにくいという方には積極的に補聴器をお勧めしてます。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・認知症リスクをあげるなどで危険性が指摘されている難聴であるが、その原因は日常生活に潜んでいるという。
・生活音については余程大きな音に長時間さらされない限り危険性は低いが、要注意はドライヤーで1日20分の使用で危険水準に達する。またやはりイヤホンでの音楽が一番の注意。
・また乱れた食生活は内耳の血流を悪化させて有毛細胞の損傷につながる。さらに一番の危険は睡眠時無呼吸症候群。自律神経が乱れることで内耳を悪化させる。
・年齢、性別などに無関係に誰でも突然発症するのが突発難聴。ウイルスやストレスなどが引き金になることがある。早期発見による治療が重要で2週間を超えると改善効果が低くなるという。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・難聴って徐々に進むんで、意外と自覚していない人も多いんですよね。私も人の話し声自体は聞こえるんです。ただ段々と喋っている内容の聞き取りがしんどくなって「あれ?」ってなりました。
・とりあえず補聴器です。なお低価格のものもありますが、やはり耳の状態に合わせて音域ごとに拡大率が調整出来る奴でないと、一律に音量を上げるタイプのものは間違いなく「うるさく」なりますので結局は使わなくなります。

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