教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

11/4 BSテレ東 ガイアの夜明け「"癒やしの秋旅"をあなたに!」

 東京から飛行機ですぐに飛べる癒やしのリゾートとして注目されているのが奄美大島だという(何となく宣伝くさい)。

 

奄美便を売り込むピーチ・アビエーション

 ヴァニラエアを吸収したピーチ・アビエーションでは、ヴァニラエアの路線の中で採算性が悪い路線に対して、テコ入れもしくは廃止を検討している。そんな路線の一つが羽田-奄美大島線。夏は搭乗率が良いのだが、それ以外の季節で苦戦している。この路線のテコ入れを担当したのが山崎彩氏。ヴァニラエアでブランディングを担当してきた社員で、奄美線のPRにも携わってきた。今までやって来たことを無駄にしたくないと志願したのだという。

 まずは鹿児島県との共同プロジェクトで、奄美の何をアピールするかをリストアップ。それを一つずつ確認していく作業となる。集落歩きでは集落の中にある神の道を視察。奥には祠があって湧き水があった。この水を飲めば若返るという伝説があるという。これは癒やしスポットになりそう。

 町では地元の魚屋や果物屋を視察。特産の貝やマンゴーを試食(宮崎のものよりも糖度が高いという)、これも売りになりそうである。さらには夜に自然の中を散策してアマミノクロウサギなどいろいろな動物を観察できるナイトツアーも検討。これらを社内で提案するつもり。

 

台湾便に参入のスターフライヤーは名古屋飯で勝負

 一方、激戦の台湾で勝負を挑むのがスターフライヤー、LCCとは違う高級感を売りにしながら、JALやANAよりも安い料金で勝負している航空会社である。スターフライヤーでは国内路線の将来の限界を睨んで、海外路線に活路を求めており、台湾路線もその一環だという。

 しかし名古屋-台湾路線は苦戦中。これのテコ入れに動いたのが営業本部の水本香代子氏。まず名古屋で調査したところ、スターフライヤーの知名度が圧倒的に低すぎることが判明(中には「調理器具?」って言った人までいる)、そこで名古屋の魅力をアピールするツアー会社・大ナゴヤツアーズの加藤幹泰氏に協力を仰ぎ、名古屋と台湾の共通点というポイントから両者を結びつけることを検討した。

 そこで浮上したのが名古屋と言えばの朝食文化。名古屋と言えばボリュームタップリのモーニングが有名である。加藤氏の案内で名古屋の有名な喫茶店のモーニングを視察した彼女は、次は加藤氏と共に台湾に飛ぶ。

 台湾でもガッツリ食べる朝食を出す店はいろいろあるらしい。最初は豚肉ソテーのサンドイッチの店へ。これは加藤氏も納得のようだが、次の台湾式おにぎりの店は、加藤氏によると「名古屋人は朝にお米という感覚はない」とのこと。さらに豆乳スープの店を視察して、これで水本氏のプランは大体定まった模様。彼女の企画は社内で検討されて実行になったようである。テーマは名古屋と台湾の似ているところをリストアップしてのアピール。HPも立ち上げてスターフライヤーでは台湾路線を売り込むことに。

 一方その頃、ピーチの奄美便も出発していた。最初はまずまずの乗客、ホッとする山崎氏。

 

 と言うところで目出度し目出度しで終わってるのですが、実際のところこれからどうなるかは分かりません。この番組が密着取材した内容って、困難を乗り越えてようやく開店にこぎ着けたレストラン、最初の客入りも上々でとりあえずは関係者も胸をなで下ろす・・・ってやってて、1年経ったら閉店してたなんて例はごまんとありますので(笑)。まあ1年後にピーチの奄美便とスターフライヤーの台湾便がどうなってるかです。どうもこの番組は経団連の宣伝番組なので、企業のPR色が強いので内容についてはそういう目で見ておくというのが必要です。

 なおピーチについては関西は関空なんてド辺鄙空港を拠点にしているので、そこまでの移動費を考えると価格メリットが相殺されて使い道がありません。残るのは無駄にかかる時間と就航時間帯の不便さ、手荷物制限の厳しさといったところだけになってしまいます。

 スターフライヤーに至っては関西便がない(んだと思います)ので私は全く知りません。私も名前を聞くと「通販で宣伝している油のいらないフライパン?」って答えちゃうクチです(笑)。そもそもJALやANAの正規料金とタイマン張ってる会社なんて利用しようもありません。革張りシートが売りと言ってましたが、革張りシートの飛行機なら私も乗ったことがあります。スカイマークのかなりくたばったやつ(笑)。

 

忙しい方のための今回の要点

・リゾート地として注目を浴びている奄美で、ヴァニラエアを吸収したピーチ・アビエーションがテコ入れを実施中。奄美の魅力を伝える企画を実行している。
・一方、海外便に活路を求めているスターフライヤーでは激戦の台湾路線に参入、名古屋と台湾の文化の似ているところをアピールする企画などで売り込み中。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・旅行もこれからは企画次第と言うことでしょう。癒やしというのが今の流行のようですね。私も何か企画するか。「癒やしを求めてパワースポットを巡る山城ツアー」とか(笑)。

 

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