世界で最も透明な湖
ロシアのバイカル湖は世界でもっと深く(水深1600mだそうな)、もっとも透明な湖である。マイナス45度にもなる気温のため、南北600キロのこの湖が冬になると2~4月の間全面が氷で閉ざされる。
『世界遺産』7/26(日) バイカル湖 〜 全面凍結! 世界一透明な湖の秘密【TBS】
氷の厚さは1メートルにも及ぶという。水が透き通っているために、氷に出来た様々なひび割れが美しい文様として浮かび上がる。またあちこちに氷がせり上がったぶぶんがあるが、これはいわゆる御神渡り。諏訪湖などで有名であるが、気温の変化による氷の伸縮で発生する。夜に冷えて縮んだ氷が朝になって温度が上昇してきた時に膨張してせり上がるのである。
またバイカル湖には22の島が存在するが、この島独特の風景をなす。奇妙な形のつららに覆われた島があるが、これは島に吹き付けた水しぶきや波濤がそのまま凍り付いたものだという。
太古からの生物が透明な湖を産んだ
バイカル湖は太古の湖でもある。そのために水中には様々な固有の生物が存在するという。その中にこの湖の水がここまで透き通っている原因となる生物が存在する。それは海綿。海綿は湖水を体内に取り込み、そこからバクテリアなどを漉し取る。わずか2平方センチに生える海綿が20Lの水を浄化する能力を持っているという。また通常の湖は流入する土砂で大体数千年で埋まってしまうのだが、バイカル湖は地殻変動で毎年数センチずつ広がっているので、土砂が流れ込んできても埋まることがなく今日まで存在しているのだという。
そしてこの湖には世界で唯一淡水で生活するバイカルアザラシが存在する。大昔に川から入り込んだアザラシが陸地が遠くなったことで取り残されたものだという。冬の氷の季節は彼らにとって子育ての時期。氷の中に横穴の巣を掘って、そこで子育てをしているのだとか。
バイカル湖はその固有の淡水生態系などから世界遺産に認定された。
バイカル湖って、名前ぐらいは聞いたことがあったが、こんな湖だったとは知らなかった。にしてもとにかく規模がとんでもなさ過ぎて想像が付かん。御神渡りなんていっても諏訪湖とではレベルが違いすぎる。ちなみに諏訪湖の方は温暖化の影響で最近は御神渡りが起こらないことが多くなっているとか。
忙しい方のための今回の要点
・ロシアのバイカル湖は世界で最も深く、最も透き通った湖である。
・冬の3ヶ月間は透き通った湖が全面凍結し、氷に覆われ、氷のひび割れが複雑な文様を形成する。
・また御神渡りによる模様なども現れる。
・この湖は地殻変動で広がり続けているので、太古から土砂に埋まらずに今日まで存在した。そのために水中には固有の太古の生物が多い。その中の海綿が水質を浄化するので湖水が透き通っている。
・またこの湖には世界で唯一の淡水で生活するバイカルアザラシが棲息している。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・バイカル湖ってかなり寒いところなので魚が大量にいるというイメージはないんですが、あんなアザラシが多く棲息していると言うことは、結構魚がいるんでしょうね。番組には小さなエビと海綿しか出てきませんでしたが。
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