アウトドア用品メーカーが仕掛ける地方創生企画
コロナで注目されているのがアウトドア製品のスノーピーク。元々は新潟三条の大工用品の店だったというが、キャンプ用品に乗り出して急成長しているという。
三条にある本社では会議室もテントになっているとか。社員もキャンプ好きが集まっている。同社では現在地方創生事業に取り組んでいる。そのプロジェクトを任されたのが小林悠氏。元々はカメラメーカーでデザイナーをしていたが、キャンプ好きが高じて転職したのだという。
長野県の白馬村では冬はスキーで世界中から人が集まるが、雪が消えると村は閑古鳥が鳴く状態になる。この季節に人を呼ぶのが白馬の課題だった。ここにスノーピークが開いたのがランドステーション白馬。ショップやレストランなどを作って一年を通じて客を呼ぼうとしている。ここに隣接してトレーラーハウス「住箱」を設置、またアウトドア製品を貸し出してお手軽にキャンプをできるようにしている。
小林氏はここを拠点にしてさらなる発信ができないかを考えていた。役場を訪れて地元の人からヒントを得ようとして、観光課の澤田さんの案内で村の隅々までサイクリングで巡って絶景を堪能。このサイクリング体験を目玉の一つにしようと考えた。電動自転車レンタルとランチがセットになったスノーピークGoという企画を立案する。しかしなかなか客が食いついてこない。
お盆を過ぎたころからようやく体験する客が出てきた。写真スポットから湧き水スポットまで紹介した詳細な地図付き。さらにスノーピークの製品のレンタル付きなので、湧き水でコーヒーを淹れて楽しむなんてことができるようにしている。客にとっては貴重な体験になる仕掛け。予約は徐々に増えてきているという。
1日100万円でのお殿様体験
長崎県の平戸市では平戸城の櫓を改造して豪華な宿泊施設にしようというプロジェクトが動いている。手がけるのは廃校で宿泊する企画などを立ち上げたことがある鞍掛氏。今回、このプロジェクトのために「狼煙」という会社を立ち上げて臨んでいる。1日1組限定で1泊100万円で殿さまになろうという企画だという。平戸を訪れる観光客がじり貧の中で目玉を求める中で目玉の欲しい平戸氏も全面バックアップしている。
さて100万円に見合ったお殿様体験とはどんなものか。まずは平戸藩の殿様がしていたという鎮信流のお茶でもてなされ、江戸時代に殿様が命じて作らせた菓子(かすどーすなど)をお茶請けにするとか。また松浦家ゆかりの神社を参拝して殿様のための平戸神楽を実施、翌朝には平戸の海で漁体験ができる。これで取った魚をその日の昼食で食べて頂くとのこと。
このプロジェクト、宣伝はJALが手掛けるという。台風一過の後、JALの担当者を連れての視察。内部はモダンな中に平戸湾を見下ろせる展望浴場が。JALのキャビンアテンダント達の評価も上々で鞍掛氏も一安心。開城予定は年明けだという。
まあいろいろ仕掛ける人がいるなという印象。白馬は確かに風光明媚なところだから、自然を回りながら体験できる企画というのは、そっちに興味のある人なら魅力的だろうと思う。私向きではないが(笑)。まあ私も実はソロキャンプには興味がないわけではない。
さて100万円で1日領主だが、ここに登場した話だけでは100万円の魅力は私的には感じない。城に泊まるといっても、あれだと単に城型豪華ホテルというだけだし、いくら食事とかを豪華にしても、100万円もならんだろうというのが本音。まあ誰もしたことがないようなことを体験して、他人に自慢した金持ちには興味の湧く者もいるのかもしれないが、私にはんな連中の考えは分かりません。
そう言えば平戸城のような櫓をホテルに建て替えるでなく、実際の天守閣に宿泊をさせるという企画を考えていたところがあったはずなのだが(大洲城だった気がするが、自信がない)、そっちはどうなったんだろう。
忙しい方のための今回の要点
・アウトドア用品のスノーピークでは、白馬村と連携して観光拠点としてのランドステーション白馬を開設。手軽にキャンプなどを楽しめるようにしている。
・また電動アシスト自転車とキャンプ用品などを貸し出して、白馬の自然を堪能するスノーピークGoなる企画も進行中。
・平戸城では櫓を宿泊施設に改造して、1日1組み限定で1泊100万円のお殿様体験をできる企画を進行中である。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・まあ酔狂な金持ちというのはいますから。私のような貧民には想像つかないような需要はあったりするんでしょうね。お殿様体験なんかは、意外と中国の成金とかが喜びそう。
次回のガイアの夜明け
前回のガイアの夜明け
