コロナ禍でも売り上げを伸ばす角上魚類
今回はこのコロナ禍でも売り上げを順調に伸ばしているという関東を中心とした鮮魚チェーンである角上魚類について密着取材ということで、まあこの番組に良くある宣伝めいた内容である。
角上魚類は元々新潟の寺泊を拠点とした魚卸店で、創業者は栁下浩三氏。小売業に転じて現在の角上魚類を育て上げたのだという。角上魚類は漁港から直送した新鮮な魚を安価で販売しているのが人気の理由で、多くの客が押しかけている。関越自動車道を使用すると寺泊から5時間で東京に到着できるので朝出た魚が午前中に届けられるのだという。また身おろしといって客の要望に応じて無料で捌いてくれるのも人気の秘密だという。
店長は現場を見渡し、売り上げの悪い魚は刺身に加工したりフライにしたりなどの臨機応変な手法で売り上げにつなげている。実際に閉店の頃には売り場は空っぽに。しかし店長はもっともっと売りたいと考えているという。
会長の栁下浩三氏は今でも自ら競りに参加するという。大量に取れたことで安くなった魚を安価で仕入れるのが特徴で、定番や売れ筋にこだわらずにその日に安くて美味い魚を仕入れるのが角上流だと言う。新潟には5人の角上のバイヤーがおり、豊洲のバイヤーと連絡をとりながら仕入れを決定するという。一般大衆魚は豊洲の方が値段が下がりやすいのだという。しかし最近はさらに仕入れを増やすために角上魚類のバイヤーが各地の漁港に散っている。例えば今まで仕入れてなかった淡路島などにも飛んで、瀬戸内の魚の仕入れも始めたという。淡路島からも高速で輸送が可能であり、13時間で東京に到着できるという。さにらバイヤーは全国に散っており、伊根の養殖本マグロなども買い付けている。
コロナ禍に対応した店舗リニューアル
神奈川の相模原店では全面リニューアルをすることとなった。それに合わせてwithコロナ時代に合わせた変更を行うことにしたという。問題となっていたのは身おろしのコーナー。多くの客が殺到することでどうしても密になっていたのだという。この身おろしの担当者には元は寿司屋のカウンターに立っていたが、コロナで職をなくしたという人もいる。角上魚類では飲食店関係から50人の社員を雇ったという。
相模原店のリニューアルは元々隣に入店していた青果店との壁を払って一つの売り場として、また新たにテナントに食肉店を入れて一つの店舗ですべてを購入できるようにすると共に、客の回遊性を増して密を避けるようにしたという。また問題の身おろしコーナーは作業スペースを増やして6人から9人に増員、注文する場所と受け取り場所を分けて客が交錯しないようにすることで密を避けることになった。
と、100％完全に角上魚類の宣伝です。実際にこの番組を見ていると私も刺身を食いたくなってきた。ちなみに通常のスーパーでも今時は鮮魚は時間勝負になってきてはいます。かつては都会のスーパーの魚と言えば、目はどんよりと黒く濁り、パック内には怪しい汁が出ていて何となく臭そうというのが定番でしたが(特に経営破綻前のダイエーなどは顕著だった)、それも流通革命で変わってきたようです。その中で角上魚類がもてはやされるとしたら、やっぱり身おろしだろうというのは私も感じる。実際のところ魚を家で捌けるという主婦はほとんどいないので、よさげな魚を見かけても処理してもらえなかったら手が出せない。またその処理の仕方が目的に合わないということもありがち。昔はこういうのは町の魚屋さんが対応していたのだが、今はそういう店は壊滅したので。なお魚の料理の仕方なんかもそういうところで教わったものだ。角上魚類はスーパーと町の魚屋さんの間を行っている気がする。
忙しい方のための今回の要点
・コロナ禍でも絶好調で売り上げを伸ばしているのが鮮魚チェーンの角上魚類。
・元々は新潟の寺泊を拠点とする魚の卸店だったのだが、小売りに乗り出して成長してきたのだという。今でも寺泊と豊洲でバイヤーが連絡を取り合いながら安い魚を仕入れている。
・最近は魚不足に対応するべく全国にバイヤーが飛んでおり、新たに淡路島で瀬戸内の魚の仕入れなども始めた。
・一方、相模原店では大幅リニューアルに合わせてコロナ対応のために密の解消に取り組むこととなった。
・店内の仕切り壁をなくすことで客の回遊性を増すと共に、今まで一番密になりがちだった身おろしコーナーを担当者を増員(6人→9人)すると共に注文場所と受け取れ場所を分けることにして密を解消した。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・まあハッキリ言って宣伝ですよね。この番組って経団連の宣伝番組なのでトヨタの新車紹介みたいな露骨な宣伝は結構ありますが、このパターンは初めてだ。
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