キムチのうま味の秘密
今回のテーマは今や日本にも定着した感のあるキムチ。今では日本の漬物生産ランキング1位だとか。このキムチの役に立つ知識を提供するとか。体の感度が高まるのだとか。
まずキムチとは何かであるが、キムチの本質はうま味であるという。そのうま味の元になるのは何かを韓国で取材している。市場で聞いたところ、美味さの秘密はチョッカルだという。このチョッカルはソウルの南のクァンチョンに行けばあるとのことだが、山の中の洞窟にあるとのこと。この洞窟の中で保存されているのがチョッカルだが、それはアキアミという小エビの塩辛だという。洞窟内で温度湿度一定化で半年ほど熟成させることでキムチに不可欠のチョッカルになるのだとか。
キムチのうま味を8倍にする方法
しかしキムチの中にアミの塩辛は見られない。これらはすり下ろして使われるからだという。これに様々な果物や香辛料などを加えて作られるのがキムチの漬けダレのキムジャンで、家ごとに様々なものがあるらしい。皆が一斉に開始するので韓国の国家行事で、ユネスコの無形文化財になっているとか。なお一日の平均気温が4度以下になる時期がキムジャンを作るのに最適で、毎年「キムジャン前線」としてその日程が知らされるらしい。
なお番組ではこのキムチにあるものを加えることでうまみが8倍になるとしている。番組ではゲストにこれを試食させているがうま味が爆発しているとか。で、何を加えたかであるが、それはイノシン酸。キムチにはグルタミン酸が含まれているので、ここにイノシン酸を加えるとうまみが8倍になるとか。韓国の家庭料理ではキムチに煮干しの出汁を加えるなどでこの方法が利用されているのだという。魚介や豚肉を加えるなどしたキムチチゲにしたらうま味アップだとか。なおうま味が増すメカニズムだが、うま味受容体にグルタミン酸が作用するとうま味を感じるが、そこでさらにイノシン酸が加わると受容体の感度が高まるのだとか。
で、番組レシピの紹介。カツオ節を振りかけたキムチのスープから始まって、キムチツナ飯などを紹介。例によって細かいレシピはHPなどを参照ってこと。
酸っぱくなるキムチの見分け方と番組流キムチダレの作り方
最後は酸っぱいキムチの対処法。これは好きという人と嫌いという人が真っ二つに分かれる。酸っぱくなるキムチかならないキムチかは実は見わけることが出来るのだとか。キムチが酸っぱくなる原因は乳酸菌だが、本格タイプと調整タイプで分かれるのだとか。韓国の製法で作った本格タイプは乳酸発酵で味が変わるが、出荷間前に塩分量などを調整して乳酸発酵を遅らせた調整タイプは酸っぱくなりにくいらしい。そしてこの量タイプの見分け方は容器。本格タイプは乳酸発酵の際のガスの発生に備えてスクリュー型の蓋だったり、ガスを逃がす穴があったりなどしており、韓国産を示すキムチ君マークが入っていたらほぼ間違いないとのこと。これに対して調整型は柔らかい容器に入れられていることが多いという。さらに出汁などを加えて日本人向けに調製していたりするものであるという。なおキムチはどこまで酸っぱくなるかだが、6年目に酸っぱさのピークを迎え、その後には酸っぱさが緩和されるのだという。
最後は四季のキムチとして、様々な季節の野菜を使用したキムチを紹介・・・なんだが、ここで問題となるキムチの漬けダレを手軽な材料で置き換える方法を紹介している。その結果、ナンプラーやトマトペーストなどスーパーで入手できる9種の材料で製作している(詳細レシピはHP)。これを韓国人に食べてもらったところ好評。と言うわけでこれを使った夏向けキムチとしてスイカのキムチなどを作っている。スイカのキムチは番組ゲストは「美味しくない」とのリアクションだが、街の声では美味しいが多数。まあこんなものは好みがあるもの。
以上、キムチについて。私はキムチは嫌いではないし、特にカクテキとか白菜キムチとかは好きな方だが、これらはご飯の友であってご飯の消費量が増えるので今の私には御法度。なおキムチ鍋という料理があるが、どうもこれだけは私はあまり好きではない。ってことは、私にはキムチ+イノシン酸ってのもあまりアピールがないのかも。まあ個人の好みは様々ですので。私は鍋料理なら、タップリの大根おろしで食べる水炊きが至高です。
なおキムチはある特定の思想の方にとっては信仰上の禁忌であるために口にすることが出来ないとか。なんとも不自由なことである。
忙しい方のための今回の要点
・キムチにはうま味を増すために、チョッカルと呼ばれるアキアミ(小エビ)を発酵させたものが加えられている。
・このようなキムチはグルタミン酸が豊富なので、そこに魚介類や豚肉などのイノシン酸を加えると相乗効果でうま味は8倍になる。韓国の料理でも実際にこの効果が利用されている。
・キムチは時間が経つと酸っぱくなるが、これは乳酸菌の作用によるもの。本格的といわれる韓国の製法によるキムチは酸っぱくなり、調整型といわれる出荷間前に塩分量などを調整して乳酸発酵を遅らせたものは酸っぱくなりにくいという。
・両者を見わけるには、本格型は乳酸発酵に伴うガスに対応するため、スクリュー式のフタがあったり、ガス抜き穴があったりし、また韓国産を示すキムチ君マークが入っていたりするとか。調整型は柔らかい容器に入っていて、日本人向けに出汁を加えていたりするという。
・なおキムチの酸味は6年ぐらいでピークになり、その後は抜けていくという。
・番組ではスーパーで売っている9種の材料で作れるキムチタレを紹介している。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・私は酸っぱいキムチは苦手というタイプです。まあそういう者が日本人には多いから、日本人向けにしたのがいわゆる調整型ってことでしょうね。また日本人の味覚はとりあえず出汁が入っていたら美味いと感じるので。
・昔、ラーメンは平凡だがとにかくカクテキの美味いラーメン屋が職場の近くにあったんだが、いつの間にかつぶれてしまったな。昔からラーメン屋は入れ替わりが激しい。
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