プロの技に見るスチームアイロンの威力
服の皺取りと言えばアイロンとかスチーマーなんかがあるが、アイロンをかけたのにはなぜかシワが残っているなんていう残念な結果になりがちでもある。実はアイロンを上手くかけるのにはちょっとしたコツがあるのだという。
まずは衣類メンテナンスの専門店を訪れてプロのアイロン術を観察。洋服の仕上げにはアイロンは不可欠なんだという。実際にプロに家庭用のスチームアイロンを使ってもらったら、しわくちゃのシャツがパリッとまとまり、光沢も出ている。
しかしこれを日頃アイロンなんてかけたことがない人がやったら・・・スチームをバンバン使いながらアイロンをかけているのだが、後で見てみるとシャツのあちこちに皺が残ったままのヨレヨレ。これはどこに違いがあるのか。
実はアイロンをかけてシワを伸ばしても、しばらく放置していると戻りシワといってシワが元に戻ってしまうのだという。実はここに最大のポイントがある。
スチームアイロンの父に見るとスチームの意味
ここで番組ではスチームアイロンの祖と言える人物として加古新太郎なる人物を突然に紹介する。番組では様々なスチームアイロンが登場してその歴史を解説するのであるが、この人物が大正時代に開発したスチームアイロンの最大のポイントは、蒸気のオンオフが出来たことだという。
つまりは番組が言いたいの蒸気のオンオフがアイロンがけのポイントだということ。実際に先ほどのアイロンがけをほとんどしたことがない人物に環境試験室の中でサハラ砂漠と同じ温度45度、湿度20%という環境で先ほどと同様にアイロンがけをしてみると、今度は綺麗にアイロンがかかっている。つまり決定的に違うのが湿度である。
では実際にプロが使用しているアイロン台がどうなっているかだが、下に足踏ペダルがついていて、それを踏むとバキュームが一気にスチームを吸い込んでしまうようになっている。つまりスチームでアイロンをかけた後に直ちに乾かしているのである。衣類の繊維はスチームを吸収することで柔らかくなるのでここでアイロンの重みで伸びる。しかし湿気が残っていると、それが乾燥する時に再びしわになってしまうのだという。だからそうなる前に乾燥させることが重要なのだという。実際に先ほどのアイロンが下手な人のかけた生地は11%も湿気が残っていたが、プロがアイロンをかけると0%になっている。
この同じことはスチーマーを使う場合にも言えるという。つまりは乾燥させることを意識して、なるべく装置を近づけて高温の蒸気(湯気として見えているものでなく、目に見えない水蒸気の部分)を当てることが重要であるという。
正しいスチームアイロンの使い方
というわけで、正しいスチームアイロンの使い方は、最初にスチームを使って皺を伸ばすと、2回目にはスチームを切ってアイロンをかけて乾燥させるのだという。ちなみにプロのアイロン台はこれが1回で済むから作業が高速化するというわけである。
なおアイロンを使うことで生地を伸ばしたりもできるので、洋服の仕上げに立体的な形を作る際にもアイロンは用いられるという。さらにはこの原理を利用すると縮んだシャツなんかも、裏から引っ張りながらスチームをかけ、伸ばしたところでドライをかけて固定するという形で伸ばすことが可能とのこと。またコート類なども裏生地がしわくちゃになる場合が多いので、裏側からアイロンをかけることで綺麗になるという。
以上、アイロンがけのノウハウでした。知っている人にとっては常識だったかもしれませんが、意外と知らなかった人も多いのでは。こういう明日からでもすぐに使える生活の知恵というのはガッテンの真髄であります。とは言うものの、正直なところ番組一本作るにはいささか小ネタだった気もするが。
忙しい方のための今回の要点
・スチームアイロンを使用する時は、スチームをかけて皺を伸ばしてから、そのままドライでかけて乾燥させるのがポイント。
・スチームをかけると繊維が柔らかくなるのでアイロンがけで伸びるが、そのまま自然乾燥させると皺が戻ってしまうので、もう一度ドライでアイロンがけして湿気を取ることでそのまま固定させるのが重要である。
・縮んだ服なんかも引っ張りながら裏側からスチームをかけることを伸ばすことが出来る。またコートなども裏生地がしわになりやすいので、裏側からアイロンをかけることで綺麗にすることが出来る。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・実用的なのは非常に良いんですが、小ネタで無理矢理45分の尺まで引き伸ばしたという感も強いですね。正直なところネタ切れ気味なんですよね。昔はこの番組ももっと内容豊富でした。恐らく今回のテーマなんかだったら、アイロン一本に絞らずに、洗濯物を綺麗に仕上げるノウハウとして2つ、3つぐらいを上げてた気がします。
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