教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

4/4 サイエンスZERO「春休み特別企画!小学生×超巨大ブラックホールの謎」

ブラックホールの謎について考える

 今回は春休み企画とのことで、宇宙好きの小学生とブラックホールの謎に迫るとしている。

 まずブラックホールがどうやって出来るかであるが、太陽の30倍以上の星が超新星爆発を起こして生成するとされている。重力が強すぎるので光でさえ脱出できないからブラックホールである。

 

ブラックホールの撮影に成功

 2019年に初めてブラックホールが撮影されて話題となった。

tv.ksagi.work

tv.ksagi.work

 これは世界中の複数の電波望遠鏡を使い仮想的に地球サイズの電波望遠鏡を作ることによって観測した。今回観測したのはM87銀河の中心にあるブラックホール。そして現在非常に有名になっている写真が撮影されたのだが、中心には太陽の65億倍もの超巨大ブラックホールが存在しているという。

f:id:ksagi:20210405230651j:plain

世界で初めて撮影されたブラックホール

 なお回りにある光はブラックホールによってねじ曲げられた光だという。下の方がより明るいのはガスの回転の軸がやや傾いていて、下側はこちらに向かってきているので明るくなるのだという。

 

超巨大ブラックホール生成の謎

 ただしこのような超巨大ブラックホールがどうやってできるかには謎があると言う。最初のブラックホールは今までメカニズムだとビッグバン後3億年で太陽の10倍程度のブラックホールが出来るのがやっとであって、これが65億倍までに成長するのが不可能なのであるという。

 ここで東京大学の吉田直紀氏は全く新しい説を唱えている。彼の説によればビッグバンの1億年後に太陽の数万倍の質量のブラックホールが生成するという。

 そのメカニズムとはビッグバン後の宇宙には時速3万6千キロという高速のガスの流れがあり、これがダークマターによる質量に集まり、それによって巨大ブラックホールが生成したというのである。

 

ブラックホールの中はどうなっているか?

 そして誰もが思う疑問で、小学生の疑問でもトップに上がっていたのは、吸い込まれたものはどこに行くかと中はどうなっているかである。実際のところ、これはまだ誰も入ったことがないので分からないというのが現実だが、いろいろな推測はされている。

 とりあえずブラックホールに近づくと重力の関係で時間の流れが遅くなるということは分かっている。ブラックホールの近くから外を見ると、逆に超高速で時間が流れることになる。ここまでは理論的に分かっていることだが、そこから先はあくまで推論になる。とにかくブラックホールでは密度が無限大の特異点なので通常の物理法則は成り立たないという。

 理論物理学者のニコデム・ポプラウスキー博士は、ブラックホールに吸い込まれた物質は、時間と空間のねじれを引き起こして別の宇宙を作ってそこに吹き出していると推測している。イメージとしては水を一杯に入れたペットボトルと空のペットボトルを上下につないで、上のペットボトルから下のペットボトルに水を移すようなものだという。この時に水は回転しながら移るが、実際の宇宙でも物質はそのような移り、その時の回転が銀河の回転につながっているというのが彼の考えである。

 

 宇宙の謎、ブラックホールについて。小学生を出していたが、番組的にはあまり意味のなかったような・・・。実際に内容はそこらの普通の小学生には難しすぎで、いわゆる宇宙オタク系の小学生でないとついていけない(まあいかにもそういうタイプを集めていたが)。

 ブラックホールの姿を初めて撮影したという話題は以前にサイエンスZEROでも放送していたし、NHKスペシャルもあったので興味深く見たが、今までいろいろと表現されていたブラックホールの姿が、それまではすべて想像図だったというのは正直なところ私はこの時に初めて知った。実のところ、背景の星が歪んで見えるなどの形でブラックホールの撮影は既にされていると思っていたので。

 最後のニコデム・ポプラウスキー博士の考えはなかなかに興味深かったが、実際に昔からブラックホールと反対の様々なものを吐き出すホワイトホールが存在するという考え方はあるので、そのホワイトホールを別の宇宙につないだら彼の考えになる。なお彼の考えで行くと、いずれはこの宇宙のすべての物質はブラックホールに吸い込まれてスッカラカンになることになると思うのだが、それがこの宇宙の終わりということか。私はその別の宇宙に移行するために必要な物質量に臨界値があり、それを越えたら一気に別宇宙が誕生し、それがつまりビッグバンなのではなんてことも思ったりするのだが。

 

忙しい方のための今回の要点

・2019年に世界各地の電波望遠鏡をリンクさせることで、初めてブラックホールの姿を撮影することに成功した。
・そこに写っていたのは太陽の65億倍もの質量のある超巨大ブラックホールであるが、これの生成メカニズムは従来のブラックホール生成メカニズムでは説明できない。
・東京大学の吉田直紀氏はビッグバン直後の宇宙には超高速のガスの流れが存在し、それがダークマターによる質量に引きつけられることで超巨大ブラックホールが出来たと推測している。
・またブラックホールに吸い込まれた物質がどうなるかであるが、理論物理学者のニコデム・ポプラウスキー博士は別の宇宙を生成してそこに吹き出すと推測している。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・何となく感覚的に理解できたとしても、頭がついていかないのが宇宙の謎です。実際に考えていると私の意識自体がブラックホールの向こうに飛んで行ってしまいそうになります。重力に縛られた私に想像力に限界があるようです。やはり魂を地球の重力から解き放ったニュータイプでないと無理なんでしょうか?

前回のサイエンスZERO

tv.ksagi.work