教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

12/5 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「冷え性外来医師に学ぶ!対策のポイント」

冷え性の原因と対策について

 冬になると冷え性対策で困る人もいるが、今回は冷え性外来の林忍院長にその対策を聞いている。

 まずは冷え性で困っているという番組ゲストの藤井サチ氏が林医師の元で診察を受ける。まずは額の体温を測り、さらに手と足の温度を測ったところ、額が36.2℃に対して、手が27.1℃、足が24.5℃とかなり重度の冷え性との診断。通常は2~3℃程度低いもので、3~5℃だと軽度、5~10℃で中等度、10℃以上は重度の冷え性だという。

 血流を調べたところ藤井氏は太い血管の血流は問題ないので、どうも末梢血管の血流が悪いのではないかという話。これを治すためには体質改善だという。

 冷え性対策であるが、一般的にもいろいろな方法が言われているが、それらにはポイントがあるのだという。まず温かいものを飲むだが、これは70℃などの熱いものを飲んだ場合は交感神経が刺激されて血流が悪くなるので、逆に冷えが悪化するという。だから50℃程度のぬるいものを飲むのが正解だという。さらに入浴も同様で、熱すぎる湯は交感神経を刺激するので、38~40℃ぐらいのぬるめのお湯に首までゆったりと30分ぐらい浸かり、副交感神経を優位にするのが正解だという。

 さらにマッサージも有効だが、この時に足先だけをマッサージするのではなく、まずは太股をひざからさすりあげ、次に足首からひざにむけてさすり上げるのだという。足の太い血管の血流をまず良くするのだという。さらに靴下を履いて眠る場合は、汗をかいて蒸れるとかえって冷えるので通気性の良い素材のものを使用すること。また湯たんぽなどを使用する場合は、事前に布団を温めておいて寝る時にははずす方が良いという。さらに代謝を上げるという意味で運動も推奨だという。

 

 

冷えてないのに冷えるメンタル冷えと大病が潜んでいた例

 また温度は低くないのに冷え性になる例もあるという。この場合の原因はメンタル。ストレスのせいで自律神経のバランスが崩れるせいで冷えたように感じるのだという。こういうメンタル冷えの患者は、林医師の元を訪れる患者の内の4割もいるという。実際に患者の一人については漢方薬で自律神経を整えながらマッサージを併用することで改善したという。なおこのメンタル冷えは男性に多いという。

 また単なる冷え性だと思っていたら大病だった例も。66才の男性、2年前に左足の先に強い冷えを感じるようになったという。さらに10分ほど歩くと太股に痛みが出るようになったが、しばらく休むと回復するのであまり気にしていなかった。症状が3ヶ月経ったところで整形外科に行くが原因不明、その後症状はさらに悪化して段々と歩けなくなってきたので林医師の元を訪ねてきたのだという。検査をした結果、彼の場合は血管の閉塞か狭窄があることが判明したという。動脈硬化が原因だという。これが閉塞性動脈硬化症だという。症状が悪化した場合には血管が詰まって壊死が起こる可能性があるし、足でこれが発生しているということは心臓や脳の血管にも同様のことが起こっている可能性が高く、心筋梗塞や脳梗塞につながりかねない。この患者の場合は足の血管のステント治療で血流を回復し、手術の翌日には歩けるようになったという。50歳以上の男性に多く、喫煙などで危険性が上昇するという。片足の冷えやしびれに注意だという。

 

 

 以上、冷え性の対策と冷え性に潜む危険な病気について。私は昔は冷え性なんてなかったんですが(むしろ足が熱くて困ることが多かった)、やはり年齢と共に血流が悪くなってきて、最近は足の冷えとかを感じることも増えてきました。つくづく「老化は嫌だな」と思う一つの事例にもなってます。

 メンタルが冷えにつながる可能性があると言われても、今の世の中でストレスフリーな生活ってまず不可能ですから、こればかりはどうしようもない。実際に冷え性よりももっと他の面で明らかにメンタルが原因と思われる症状は様々あり、もう全身ボロボロです。

 というわけで、この番組は常に、自分の体の不健康具合を再認識するための番組になってしまってるんだよな・・・。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・冷え性の原因は手足の血流が悪化していること。額の体温よりも手足の温度が3℃程度低いのが正常だが、それ以上に低い場合は冷え性、特に10℃以上低ければ重度の冷え性となる。
・対策としては温かいものを飲む時は交感神経を刺激しないように50℃程度のぬるめのものを、さらに入浴も38~40℃ぐらいの温めのお湯でゆったりと30分程度浸かるのが良い。
・またマッサージは足先でなく太股から。足の太い血管の血流を良くすることを意識して。さらに靴下を履いて寝る時は蒸れて発汗してかえって冷えないように通気性の良いものを。
・さらに温度は低くないのに、ストレスのせいで自律神経が乱れることで冷えを感じるメンタル冷えも多いという。これは特に男性に多いとのこと。
・ただの冷え性だと思ったら大病が潜んでいた例も。この場合は足の血管が動脈硬化で閉塞しかかっていた閉塞性動脈硬化症だった。なおこれが足に出る場合は心臓の血管や脳の血管にも同様のことが発生している可能性が高いので要注意。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・まあ正直なところ新知見は大してありません。しかし冷え性については眠られないほどにキツいという人もいますので、参考にされたら良いかと。また根本的に血流が悪い場合はやはり運動ではという気もします。

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