教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

7/27 NHK 歴史探偵「岡本太郎と太陽の塔」

岡本太郎の大胆な発想で生まれた塔

 今回のテーマは岡本太郎の太陽の塔・・・これが歴史か?という疑問もあるのだが、もう大阪万博は歴史上のエピソードと言えば言えなくもないか。もっとも内容的には歴史番組よりも美術番組向きだが。なおNHKが後援している岡本太郎展が開催中なので、それに関連した企画だろう。この番組ってそんなのばかり。

 まず今は広大な広場にポツンと立っている太陽の塔であるが、実は万博の時にはあそこには丹下健三が設計した大屋根が存在していた。太陽の塔はそれをぶち抜く形で立てられたのである。実のところは最初の構想にあったものではなく、丹下の下で会場のデザインを担当していた岡本太郎がぶち上げたものだったという。

万博公園の太陽の塔

 既に出来上がっていた大屋根の設計を見直す必要に迫られるため、丹下の事務所は騒然として大騒ぎになる。ここで丹下と岡本が大げんかしたなどとも言われているのだが、実のところは岡本の構想に賛成したのは丹下だったという。丹下は岡本の感性を活かしたいと考えていたし、単純に岡本の発想を面白いと感じたのだという。

 その結果、大屋根をぶち抜くあの奇妙な塔が建てられた。結果としてそれは整然とした丹下の大屋根の構造に変化を与え、トータルとして面白い造形になったわけであるが。

 

 

当初案はかなり異なっていた

 なおあの形は何なんだというのは疑問なんだが、岡本自身が「カラスだ」と言ったとか、他にも土偶だとかなんとかいろいろ言われているが、番組では初公開という岡本のスケッチが公開されているが、当初案は木のようなものだったらしい。それが途中から岡本の得意の顔が付くようになり、最終的な形態になっていったという。ちなみに当初案の木は太陽の塔内部に作られた生命の樹に転じたように思う。

生命の樹

 なお万博の建造物は閉会後には解体されることになっており、丹下による大屋根なども撤去されたのだが、太郎の太陽の塔は「残して欲しい」との声が特に子供たちなどから多く上がり、結局は永久保存が決定されることになる。当初は太陽の塔を壊すことには特に反対していなかった太郎だが、「そういう子供たちが生きているあいだ、100ねんくらいは残したい」と言ったという。

 

 と言うわけで「歴史?」という内容でした。佐藤二朗がどうやら太郎の作品が好きらしくて、関係者とテンション上がり気味でベラベラ喋っているだけの内容でもありました。どちらかと言えばネタとしては「新美の巨人たち」向き。あの番組、リニューアルしてから国内のせこいネタばかり扱っているので、最適では・・・と思ったが、もしかしてもうやってるかな?

 

 

忙しい方のための今回の要点

・岡本太郎の太陽の塔は、丹下の元で会場のデザインを担当していた岡本が考えついたもので、大屋根をぶち抜くことで設計の変更が必要となり、丹下の事務所は反対したが丹下の賛成で決定された。
・岡本の当初案は樹木のような形だったが、それがアイディアを練る内に顔が付き、現在の形に落ち着いた。
・最初は万博終了と共に撤去される予定だったが、残して欲しいの声が子供を中心に大きく、永久保存が決定された。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・まあ確かにインパクトが強い作品です。私は最初は岡本太郎は本人が死んだら忘れ去られる人物だと思っていたのですが、彼の作品の真価はこっちが年を取ってきて初めて分かってきた気がします。今では彼の芸術はホンモノだと思ってます。

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