高齢者の貧血の危険性
体内の血液の量は4リットルとされているが、その血液の病気でもっとも多いのが貧血。女性の5人に1人、男性の10人に1人が貧血だという。たかが貧血と考えている人も多いとされるが、高齢者の貧血は重大な症状につながったり、重大な病が潜んでいる場合があるという。
貧血と言えば長い朝礼で頭がクラクラしてというイメージがある人が多いと思うが、医師によるとあれは貧血ではないのだという。あれは一時的な脳の血流の低下による立ちくらみだという。原因は低血圧や自律神経の乱れだという。これに対して貧血とは血中のヘモグロビンが基準よりも低い状態で、男性は13g/dL、女性で12g/dL未満だという。セルフチェック法としては、1.顔色が悪い。2.疲れやすい。3.爪が割れやすい。これのどれかが該当すれば貧血の可能性があるという。
貧血によって持病が悪化
70才の男性の事例だが、貧血によって持病が悪化していたという事例がある。昔から貧血傾向だが特に自覚症状がないので放置していたのだが、段々と少し歩いただけでも息が苦しくなるという症状が出始めたのだという。彼は貧血によって持病が悪化していた。その持病とは微小な血管が閉塞する狭心症。心臓の末端の血管の流れが悪くなっていたのだという。赤血球中のヘモグロビンが少ないことで貧血となっていた。ちなみに貧血の人の血液は赤色が薄くなってくる。彼の場合はヘモグロビンが4程度まで低かったという。なかあかんべーをしてまぶたのうらが白く見えたら貧血だという(ただし強く引っ張りすぎないこと)。貧血になると血液の酸素の運搬効率が落ちるので、その分心臓に負担がかかるのだという。
また貧血が認知症を悪化させる場合があるという。貧血の治療で定期的に輸血を受けていた患者が、輸血の前になると認知症の症状が悪化し、輸血をしたら安定するという事例があったという。これは脳が貧血で酸素不足になって認知機能が落ちることによるという。
貧血に潜む危険な病気
さらに貧血に重大な病が隠れているいる可能性もあるという。血を作る骨髄の病気が隠れていた事例があり、放置すると白血病になる危険がある。また膠原病が貧血につながることもあると言う。関節リウマチは事例も多い。体内で炎症が発生し、サイトカインが分泌されることで、赤血球を作るホルモンであるエリスロポエチンの働きを悪くするのだという。また肝臓の鉄分が使用されるのを妨げるという。さらにがんなどの可能性もあり、放置すると手遅れになる可能性がある。また内臓での出血が起こっている場合など、いろいろな危険な病気の可能性がある。男女ともに11を下回ったら医師の診断を受けるべきとのこと。
以上、本当は怖い貧血でした。ちなみに私は貧血はないはずなんですが、セルフチェックの3項目はすべて合致です。もっとも顔色が悪いと言うよりも色白なようで、疲れやすいのは他の病気のせいだろうし。ただ爪がやたらに割れるのは謎。キーボード作業が多いのが爪に負担をかけているのは間違いないが、老化とともに爪が薄くなった感覚がある。
なお内臓で出血が発生していて、それで貧血になっていたという事例は私もよく聞く。そして内臓での出血と言えば原因はがんが多い。もっともそんな貧血になるぐらいの出血が発生するレベルのがんになっていたら、その時点で既に手遅れではないかという気も。
忙しい方のための今回の要点
・日本人の女性は5人に1人、男性は10人に1人が貧血だという。貧血を軽く考える人も多いが、特に高齢者の貧血は深刻な症状につながったり、危険な病気が潜んでいる場合がある。
・ある男性の事例は貧血のせいで持病の狭心症が悪化していた。貧血で血液の酸素運搬能力が低下することで、心臓の負担が増したのだという。
・また貧血のせいで脳が酸素不足となり、認知症が悪化する例もある。
・貧血の影に白血病につながる恐れのある骨髄の病気が潜んでいたりする事例もある。
・また関節リウマチなどもサイトカインが赤血球を作るホルモンであるエリスロポエチンの働きを低下させて貧血を招く。
・さらには内臓でがんなどの出血が起こって貧血になっている事例もあるとのこと。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・たかが貧血、されど貧血とのこと。そう言えば今回は「貧血を防ぐ生活習慣」とかの話はなかったな。基本的には鉄分やタンパク質が不足しないようにってことだったと思うが。
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