高血糖を脱出する方法
今回のテーマは高血糖。要するに糖尿病になる前段階で、この状態が続いていくと糖尿病になってしまう。実際には1000万人という高血糖と診断されても放置する人が多い。しかし半数が10年で2方糖尿病になってしまうという。糖尿病になると血管が損傷することで失明や手足の壊死などが起こったり、脳梗塞などで命を落とすことにつながることがある。また肌なども糖化で劣化したりする。
高血糖の定義であるが、空腹時血糖が110以上だと高血糖とされる。またHbA1cが5.6以上も高血糖と診断される。で、今回はこの高血糖の人たちの数値を正常に戻そうという話。
番組では高血糖の人の一日を追跡。まず健康な人なら空腹時血糖は110以下、食事を摂ることで30分ぐらいで血糖値の上昇があるが、それでも180を超えることはない。しかし番組に登場した高血糖の女性は食前122(元々高い)が食後には200オーバーという状況。さらに次に登場した男性に至ると食前152が食後には290という悲惨な状況。他の人も食後には180を超えている。しかしそれがトリセツ流を取り入れると食後でも180を超えなくなると言う。
高血糖が起こすこと
で、その対策はとなるのだが、ここで番組は例によって引っ張る。血糖の役割を見るためとして動物園を訪問、ジャガー、アルパカ、ナマケモノ、アザラシ、ミミズクの中でもっとも高血糖なのはという問題を出している。結果はミミズクが高血糖(300以上)でナマケモノは低血糖、後は人と同じぐらいというもの。要はミミズクは飛ぶのでそのために多くのエネルギーを必要とするからというもの。ここでさらにブドウ糖から発電するキットなんか出してきてブドウ糖パワーを体感・・・とやっているのだが、これは無用。糖は細胞内に取り込まれることでエネルギーを作り出す働きをしている。
しかしこれだけなら別に高血糖に不都合はなさそうだが、実際には糖が増えすぎることで糖が分解される際の活性酸素が増加するので、それが毛細血管などの破壊につながることが問題。さらにメタボがあるとコレステロールのコブが生成して血管が閉塞することもある(だから糖尿病と高脂血症の組み合わせは致死なんだが)。
食事のリズムをβ細胞に合わせる
で、この血糖値を制御するのが膵臓にあるβ細胞で、これがインスリンを分泌することで血糖を細胞中に取り込ませる指令を出す。しかし高血糖状態になるのはβ細胞の量が少なくなってくる(13%も減少していたとか)のだという。さてこれの原因だが、夜などのβ細胞が寝る時間帯に叩き起こして酷使するなどによる過労が原因なのだとか。不規則な生活がβ細胞の死滅につながるのだという(糖尿病になると34%も減少している)。
しかしそのようにβ細胞が減少した状態でも、インスリン分泌を回復させる方法があるというのである。その方法であるが、β細胞の暮らしに合わせて食事を摂るというもの。具体的には朝食は8時半までに、昼食は12時~13時、夕食は午後8時までにというもの。これは食事時間をβ細胞が働く時間に合わせたのだという。実際に被験者が3度の食事の時間を揃えただけで血糖値が改善したとのこと。β細胞は朝昼はインスリンが出やすいが、夜は出にくいのだという。β細胞には時計遺伝子があるので、時間によって働きが変わるのだとか。不規則な食事というのが一番悪いという。なおさらに効果を上げるには、食事はバランス良く、さらに運動をするのが良いというのは言うまでもないこと。
以上、まあ当たり前と言えば当たり前のことばかりでした。なお夜のドカ食いが一番悪いとのことでしたが、私がまさしくそれでした。ちなみに三度の食事を規則正しくとのことですが、そもそも生活が夜型とかに極端にズレている人はどうなるんでしょうか? しかしこういうのを見ていると「三交代勤務の人は体調を崩しやすい」ってのが良く分かるわな。実際にあの勤務形態って身体に対する負担がかなり大きいので、若い時にはどうにか乗り越えれても年を取ると厳しいというのはよく聞く。また往々にして三交代勤務をしている人は普段の生活が乱れがちである(ドカ食いとか深酒とか)。
なお高血糖を招くこれ以外の大きな要因ってのが、ストレスなんだよな。生活を徹底的に節制しているのに、それでも血糖値が低下しないって人は大抵はストレスが強い環境にいることが多い。というわけで、ストレスは万病の元ってのも本当だったりする(逆にストレス皆無の状態も身体に悪いことも分かってきているが)。
忙しい方のための今回の要点
・糖尿病予備群の高血糖を指摘される人は1000万人いるが、自覚症状がないために放置されて糖尿病を発症する例が多い。
・空腹時血糖が110以上だと高血糖とされる。またHbA1cが5.6以上も高血糖である。
・血糖値が高すぎると毛細血管などが活性酸素で傷つき、破壊されたり閉塞することがある。
・血糖値を下げるのが膵臓のβ細胞が分泌するインスリンだが、これを酷使しすぎるとβ細胞が死滅してインスリンが減ってくる。高血糖の人では13%、糖尿病の人では34%もβ細胞が減少しているとの報告がある。
・しかしβ細胞のリズムに合わせて食事をすることで、インスリンの分泌を増やす方法がある。具体的には朝食は8時半までに、昼食は12時~13時、夕食は午後8時までに摂る。
・これにさらに食事の栄養バランスに気をつけ、運動を組み合わせると効果的である。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・高血糖のうちに対処しておくことをお勧めします。健康問題を抜きにしても、糖尿病になるとインスリン投与が不可欠となり、これが経済的にも自己負担が大きいです。
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