世界最大級のマングローブの森は生物の宝庫
世界最大級のマングローブの森であるバングラデシュのシュンドルボンが今回の舞台。ここには様々な生き物が暮らすが、幻のベンガルトラがここに生息するという。
ガンジス川の流域の1400平方キロメートルのエリアがシュンドルボンの世界遺産エリア。川が縦横に流れるこの地域では、船が住民の足だという。取材班も船に乗ってシュンドルボンに向かうことになる。小型ボートに乗り換えて森の中に入ると、アカゲザルやカワセミなどを見ることが出来る。300種の鳥類がここで生息するという。干満は6時間ごとにあり、その度に風景が変わる。湿地になった地面にはハゼの仲間やシオマネキなどが現れる。また泥の中で魚を追うカワウソの姿も。
マングローブは淡水と海水が混ざり合う地域に繁殖する。横に広がる気根のおかげで木が生えることが出来るのだという。ここに生息するシカはマングローブの林の葉を後ろ足で立ち上がって食べる。このために葉は2メートルぐらいの高さで水平に高さが揃っている。
マングローブの森にトラを追ったが・・・
この森には絶滅危惧種のベンガルトラも生息するという。番組取材班はレンジャーと共にトラの痕跡を追う。足跡を見つけた海岸にカメラを設置したものの、多くの動物は写っていたが、残念ながらトラの映像はなし。木の上の高さ4メートルに位置に、トラが仕留めた鹿の頭蓋骨を発見。これはトラが獲物を横取りされないように投げ上げたものだという。このトラはシュンドルボンの中に100頭ほど棲息している。今回は子供のトラの足跡も見つけた。
シュンドルボンには大量の土砂が蓄積しているが、この泥はヒマラヤ山脈から氷河に削られて流れてきたものだという。これが広大なデルタを産み出したのである。北部の農業地帯もかつては干潟だった。また泥でなく海から波で打ち上げられた砂による砂浜も多数ある。こういうところにはコメツキガニの仲間が生息し、砂の中の微生物を食べた残りの砂を丸めることで、砂浜に奇妙な幾何学模様を描く。
忙しい方のための今回の要点
・バングラデシュのシュンドルボンは、世界最大級のマングローブの森である。
・ここでは多くの生き物が生息するが、この地に多く住むシカは後ろ足で立ち上がってマングローブの銛の葉を食べるため、葉は大体高さ2メートルで揃うことになる。
・この地には絶滅危惧種のベンガルトラが100頭ほど棲息している。
・シュンドルボンに流れてきた泥は、ヒマラヤ山脈で氷河によって削られたものである。また波で打ち上げられた砂による砂浜も多数あって、生物の餌場ともなる。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・「結局ベンガルトラは空振りじゃん!!」ってのが一番の感想だな。この映像を撮りに行ったけど撮れなくて、結局は過去の映像でお茶を濁したというようで。まあこの手の番組にはこの類いの空振りはありがちだけど、それだとタイトルからトラをはずした方が良いような。まあ嘘は言っていないけど。
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