教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

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番組リスト

7/21 TBS系 世界遺産「スペイン 地中海の島に謎の巨石遺跡」

スペインの巨石文化の島

 スペインのメノルカ島にはタラヨティック文化の遺跡が残っている。3000年以上も前に始まった文化で、タラヨットと呼ばれる塔が名前の由来だとか。島には400近い塔がそびえており、巨大な石による建造物が残る。


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 メノルカ島は淡路島よりも少し大きいぐらいの平坦な島である。海辺はリゾートになっており、内陸に多くの遺跡が残っているという。建物は接着剤を使わずに石積みだけで築かれているのが特徴だという。タウラと言うT字型の石組みがあちこちに見られる。

メノルカ島のタウラとタラヨット

 

 

牧畜をして生活し、フェニキア人の傭兵として活躍した

 これらの巨石文化は3200年前から2100年前まで続き、タラヨティック文化と呼ばれる。タラヨットが作られた目的は永らく不明であったが、発掘調査の結果分かってきたこともあるという。塔の上には一部の人だけが登れるようになっており、彼らの社会には階級があったことが覗えるという。さらに豚やヤギなどの家畜の骨なども見つかっており、ビールを入れていたと思われるコップなんかも発見されていることから、牧畜を行って食糧を分け合っていたのではとされる。集落には100人ほどが暮らしていただろうという。

 海辺にはカラスコヴァス遺跡があるが、これは墓所であり、副葬品には島の外から来たビーズのネックレスやコップなども見つかっており、これらはフェニキア人から得られたのではと推測されている。それらはメノルカの人々をフェニキア人が傭兵として雇った謝礼だろうと考えられるという。メノルカ人は投石で大きな戦果を上げたという。紐で振り回して投石することで、時速200キロを超える石礫を投げつけたのだとか。

 T字の巨石タウラ。これらはタウラ囲いと呼ばれる石組みで囲まれており、儀式の場だったと推測されている。家畜を供えた跡も見られるし、祭壇と考えられる台なども見つかっている。この下で精巧な雄牛の像も発見された。タウラは雄牛の頭を意味しており、島外から伝わった雄牛進行の現れではとの説が有力だという。またこれらの石は島内の石灰岩が切り出されたものである。この豊富な石材が巨石建造物の材料となった。なおタウラは立てた巨石の上に傾斜を使ってさらに巨石を載せたのではとされている。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・スペインのメノルカ島には巨石建造物を多数建てたタラヨティック文化の遺跡が残っている。
・ここでは100人規模の集落が存在し、牧畜などが行われていたと推測されている。
・また島外からの物品が持ち込まれており、これはメノルカ島の住民が傭兵としてフェニキア人に雇われた謝礼だと推測されている。
・T字の巨石のタウラが多数見られるが、これは儀式の場と推測されている。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・巨石文明って各地にありますが、どことなくイギリスのストーンヘンジを連想させます。あっちも今ひとつ正体不明ですが。

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